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食料自給率が高い国の国民は、自信に満ちているように見える。

市民農園を借りて1ヶ月が過ぎました。種や苗を植えた野菜は、ミニトマト、小松菜、ラディッシュ、水菜、きゅうり、ナス、ズッキーニ、枝豆、ピーマン、オクラ、ネギ、そして香菜各種。芽が出ると喜び、花が咲き、実が付くとその姿に驚いたり。なんせ初めての経験なので毎日が発見の連続です。こんなふうに花が咲くのか。こんなふうに実が成るのかと。あと数週間もすれば収穫できるものもあるでしょう。私は二人暮らしなので二人分の日々の野菜が賄えるようになるのが目標です。野菜に関しては自給率100%を目指したい。おそらく私の両方の祖父母は100%に近かったと思います。私は実家で暮らした18年間、その恩恵を毎日受けていました。そして野菜や果物を毎日持ってきてくれた祖父母の気持ちも、少し理解出来るようになった気がしています。

詳しいことはわかりませんが、日本の食料自給率の低さが以前から気になっていました。こんなにも水が豊かな国土を有しながら、食料の過半数を輸入に頼っています。私の実家の田畑も多くが耕作放棄地になっています。国家間の関係や条約等、様々な制約があるなか、もう少しなんとかならないものかと思っていました。私は運良く市民農園に当選し、野菜をいくらか自給できるつもりでいますが、それでも全体の1割にも届かないでしょう。そして思うのです。なんとなく感じている、ここ数十年のこの国の元気の無さは、食料自給率の低さに関係があるのではないかと思うのです。自分たちの食い扶持を自分たちで確保できれば、それだけで大きな自信になるのではないかと。

かつて何かで読みましたが、フランスは食料自給率が100パーセントを超えていて、食料自給率は国力だと捉えているそうです。国是ですね。アメリカ、カナダ、オーストラリアなどが食料輸出国として浮かびますが、他の先進国の多くも高い食料自給率を誇っているはずです。国民が食べていけないと国が立ち行かないことをよく理解しているのでしょう。いま日本が戦争に巻き込まれたり、地球規模の天変地異やシステム障害が起これば、国民の多くが生命の危機に晒されるでしょう。

そしてまた思うのです。食料自給率の高い国の人間は自信に満ち、堂々と振る舞っているのではないかと。私の勝手なイメージですが、そう見えるのです。潜在的にあるような気がします。食べていければ何度でもチャレンジ出来ますし、そもそも食べていければそれだけで充分ではないですか。不安になったり気負うことも減るはずです。おそらくそんなに大きくない土地でも、少なくない食料を生産できると予想しています。

わずか15平方メートルの畑を始めて1ヶ月の、私の雑感でした。ちょっと壮大で大袈裟かもしれませんが。

こうやって日々、畑に通っていると、色々な景色とともに色々な発想や発見に気付いていくことでしょう。色々なことに思いを巡らせていくのでしょう。そして農家だった祖父母に対する認識も上書きされていくのでしょう。たくさん撮った祖父母の写真の見え方も変わってくるでしょう。さらには私自身に対する認識も。この国に対する認識も。

言葉や文章にすると大袈裟な感じがしますが、日々、発見や学びとともに自分自身が変化していくのは、いくつになっても楽しいものです。





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