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映画:「アメリカン・グラフィティ」関連のレコード
オールディーズやロックンロールの映画の金字塔とも言える映画「アメリカン・グラフィティ」であるが、一般的によく知られているアルバム(オレンジ+ウェイトレス)以外に、続編やVol.Ⅲとしてリリースされたアルバムもある。まあ「アメリカン・グラフィティ〜American Graffiti」というタイトルだけでは、無数のアルバムが該当するので、正統な流れとしてのアルバムを紹介させていただこう。
この映画は、ご存知のようにカリフォルニア州の小さな町が舞台で、4人の主人公の’62年の夏の終わりの1日を綴った物語である。使用された曲は’50年代〜’60年代にヒットした曲がチョイスされており、監督のジョージ・ルーカスが少年時代に親しんだ曲であるとされている。
まずは「アメリカン・グラフィティ (‘73)」オリジナルにして究極の一枚。ビル・ヘイリー&ヒズ・コメッツの「ロック・アラウンド・ザ・クロック」から始まり、ビーチボーイズの「オール・サマー・ロング」で終わる。厳密に言えば、「オール・サマー・ロング」のリリースは’64年であり、映画の時系列とは少しの乖離がある。
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続いて、’73年の映画に収録された曲の延長線と考えられる「モア・アメリカン・グラフィティ (‘75)」。前作同様のアメリカン・ポップスやドゥー・ワップが満載のアルバムである。ジャケットは映画でジョン・ミルナー(ポール・ル・マット)が駆っていた’32年式フォード・デュース・クーペ。
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さらに翌’76年にリリースされた「アメリカン・グラフィティ Vol. Ⅲ」。収録曲の方向性は継続されている。ただ、ジャケットの写真で使われているアイテムが、ロックンロールというイメージのステレオタイプになってしまっていることが少し気になる点である。デュース・クーペは仕方がないにしても、サドルシューズやレタード・カーディガンといった、オールディーズを象徴するようなアイテムの羅列になったように感じる。しかしながら、裏ジャケットにあるジョー・ヤング(ボー・ホプキンス)が乗っていた赤い’51年式マーキュリー・クーペは、劇中車同様のトライバーのハブキャップも再現されている。
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そして’79年には映画の続編が公開された。タイトルは「アメリカン・グラフィティ2(More American Graffiti)」である。舞台は前作の’62年から、’64年〜’67年の大晦日となり、4人の主人公たちのその後を描いている。
このアルバムは、映画「アメリカン・グラフィティ2」のサウンドトラック盤となり、収録曲の年代も上がる。ボブ・ディランやクリームといったアーティストの曲により、オールディーズから一変して、多様な’60年代の音楽が収録されている。
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国内では、アメリカン・グラフィティ=ロックンロールという図式で半世紀経過してきたが、実際の映画においても、そんな単純な図式ではなく、時代に合わせて成長する主人公たちの日常を切り取ったものであり、ジョージ・ルーカスが、自身の少年時代に経験したことが映像になっている。
‘73年の映画でジョン・ミルナーの敵役だったボブ・ファルファ(ハリソン・フォード)は、’79年の2作目では白バイ警官の役になっていたり、主人公の一人テリー・フィールズ(チャールズ・マーティン・スミス)とジョー・ヤングはベトナム戦争で同じ部隊に所属しているなど、前作とのマッチングが図られている。
映画「アメリカン・グラフィティ」のテーマは「Change」であったが、ロックンロールは「Unchange」である。
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