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ツイッターからのお客さん

6月12日-19日(月)

この仕事をしていると、胸の奥が灼熱に燃える時が多々ある。

お客さんと一杯いただいて一緒に乾杯をしたとき。

強いお酒を飲んだとき。

胃から戻ってくるものを体外に出さんと反芻してるとき。

泥酔したお客さんにグラスで殴られるとき。

いつも元気なお客さんが落ち込んでるとき。

落ち込んでたお客さんが笑ったとき。

その瞬間々々で、様々な燃ゆるときがあるのがこの仕事。
2週連続でSNSをみて来てくれたお客さんが数人いらっしゃった。
これは間違いなく胸の奥からの強い熱を感じる出来事に間違いなかった。

こんな拙い文章、あまり更新されないアカウント、いいねもたまにしかしない。
そんなSNSのやり方でも、こうして気になってくれる人がいるんだと正直驚いている。
それと同時にやはり当然のことながら嬉しい気持ちでいっぱいになる。

SNSの特徴として、実際に対面ではないコミュニケーションというものがある。
つまりは、雰囲気や話し方、仕草や表情など。
そういった肌身で感じるものがなくとも、bar manoirに行ってみたい。感じてみたい。
と思ってくれたということではないか。
これに熱せずして、何に胸を焦がそうか。

そして当然だが、ネット上での交流はあるにしても会うことは初めてになる。
粗相はできない…期待外れだったらどうしよう…といった不安や緊張もある。
うん、実は洒落にならないくらい(笑)
だからこそ、お見送りの際に定型文であったとしても
『また来ますね』
『今度ゆっくりお話したいです』
『良い時間をありがとう』
なんて言ってもらえると、どうしても胸を撫で下ろしてしまう。
こちらこそありがとうですよ、ほんとに。

実際、もっと話したいこととか、アレもコレもできたのになーと思うところは後々たくさん出てくる。
新規のお客さんとはまた別の視点になるので、新鮮でなんだかまた一つ、新しい皮が剥けていく思いだ。

そして一週目は、SNSからのお客さん含め、たくさんのお客さんが来店してくださった。
過去最高の来店数を叩き出させてもらった。
たくさんの人たちとお話して、カウンター全体で盛り上がった瞬間もあった。
でもその反面、やっぱりゆっくりとお話しできなかった方や、温度感に違和感を感じた方もいらっしゃったのも事実。

それはプロとして立っている以上、不甲斐なさを感じる部分であった。
カウンターの温度というのは、かなりセンシティブなものなのだと改めて思い知る。
僕がこのお店に立つようになってから日が浅いのは当然で、そこで「なんか合わないかも」と思われたら終わり。
そうなってしまったら何よりそのお客さんに申し訳ない。
僕のコンセプトとして掲げる『その人に合った時間の提供』ができていないことになる。

この仕事をしていて取得したスキルが一つある。
それは、ふとした目線や表情で何を考えてるか大体把握できるスキル。
前述した僕のコンセプトでもある『その人に合った時間の提供』の達成には必要不可欠である。
僕が立つカウンターでは、誰かのサードプレイスのような存在でありたいと思う。
今までこの大船の人々の温かさに支えられたように、僕も一つの拠り所になって誰かを支えたい。
それは、1日の疲れを癒す羽休みの場であったり、お酒というものについてディープに語らう場であったり、その日止まり木に止まった人たちの交流の場であったり、心の不具合を少しだけこぼしたい場所であったり。

ただの間借りバーテンダーだけどそれくらい本気でやっている。
自分でも書いてて気づいてびっくりするくらい本気でやってる。
僕は、やはり心の揺れる瞬間が好きみたい。

なんかまとまらなくなってきたからとりあえず今日はおしまい。
またのご来店、お待ちしています(笑)


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