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徒然-note 15 それで構わない

徒然-note vol.15 12/28/2020

「それで構わない」

寒い日が続く。本格的な冬がやってきたようだ。

友人と食事に出かける。世間はコロナであるにも関わらず繁華街にはたくさんの人が歩いている。その友との食事は今までになく美味しい食事だったのだが、理由は何を食したかだけではない。誰とお酒を飲みながら食事をしたかのほうが重要だ。

その日の外は特に風が強く、肌寒いという表現がぴったりな夜だった。友人と駅で待ち合わせをして、お店へ向かう。大人な雰囲気の素敵なお店で、二人はカウンターの席に案内される。

そう、食事の相手は友人の女性。オシャレな店でカウンターに案内されるのは、おそらくそういった理由だ。いつものように軽快な会話が続き、楽しい雰囲気も相まってお酒がすすむ、いつも以上に。

お互いいい気分になってくると気が緩むのか、横並びの距離がとても近くなる。そう、横並びのほうが近くに寄られても嫌な感じがしないのだ、と心理学の偉い人は言っていた。お互い顔を寄せてメニューを覗きあうなんてことになっても、何ともないのだ。そして気が付いたら近い距離で話が弾んでいる。心理学が言っていたことは本当だった。

楽しいひと時が終わり、帰路に就く。酔った女性の夜道の一人歩きは割と危ないとのことで家まで送っていくことになる。普通の感性の人間であればわかるらしいが、自分はとても鈍感な人間なのだ。遅いからウチまで送って行ってよね、の言葉のダブルミーニングに気が付いたのは、駅からの道で腕組んでいい?と聞かれた時だった。鈍すぎる。そして一言。

「あたしは構わないよ、遊びでも」

さすがの僕もその言葉には反応した。僕の事情のほぼすべてを知っているから、僕の背負っているものの重さを分かっているからという理由もあるのだろう。彼女彼氏、妻夫などという関係性ではない、けれども友人関係を超えたものを、君がこう表現したことに驚きを隠せないまま、そのまま玄関のドアを開けて靴を脱ぐ。。そう、酔った男のお持ちかえられ事案。

出来るだけ状況が頭に浮かぶように、できるだけ記憶に残しておくように描写してみたのだけど、まさかこんなことになるなんて。。

takeshi_h


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