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船の位置情報を可視化した話

今回は釣りをするような小型船を貸し出しているレンタルボート会社様の船の位置情報をWebで見れるようにした話です。

レンタルボートの現在地の情報の取得は人命に関わることもある

なぜ、レンタルボート会社がお客さんに貸し出したレンタルボートの位置を可視化する必要があるのでしょうか。
答えは簡単、安全にレンタルボートを貸し出すためです。
昨今でも、多数の海難事故が発生しております。

ボートが運行不能になるケースや、転覆など事故の種類は様々ですが、年に数100件以上発生しております。

https://www.kaiho.mlit.go.jp/07kanku/gyoumu/kaiko/anzentaisaku/kainan/kainannogenkyoutotaisaku.pdf

また、大きな事故で言うと観光船の行方がわからなくなるなど重大なニュースになったものもあります。

実際に海上では何が起こるかわかりません。例えば、ボートが故障する、自身の位置がわからなくなる、ボートの操作の仕方を忘れる、運転手が倒れる、最悪の場合ボートが転覆する、運転手が混乱する等、考えれば沢山のアクシデントが想定されます。上記は一例に過ぎませんが、実際には低確率ではありますが、このような事象が発生しております。その際に、いち早くボートの位置を特定して、駆けつけることが人命に大きく影響します。

海上で船の位置情報を可視化するにはどうしたら良いでしょうか

現場の状況から整理しました。
ボートの発着場所は1ヶ所。
レンタルボートの移動するエリアは瀬戸内海の範囲のみ。
レンタルボートは5台程度、今後増える可能性もある。
瀬戸内海には携帯電話の電波が通っている。
ボートには電源が通っている。
確認する人は現場の人、バックヤードにいる人等全員みたい。

瀬戸内海は電波があり、ボートに電源もあるならソラコムのIoTデバイスで良いものを見繕えば、ボートの位置情報をネットにあげれそうです。ボートの位置情報を使ってGoogle Map等にピンを打てばマップ上にボートの位置情報の可視化は簡単に実装できそうです。しかも、位置情報だけのデータなら通信量もそんなに掛からなさそうで低価格で実現できそう。ということで実現可能性を調査することにします。

有能なソラコムデバイス

いくつかデバイスを調査した結果 GPSマルチユニット がバッテリーがあり、定期的み位置情報を通知可能とわかりました。実際には、Web上で通信間隔を設定できたり、曜日毎や取得する時間を設定できたりと柔軟に情報を取得することができます。バッテリーの持ちが気になるので、どのぐらいバッテリーが持つのかを実験した結果、位置情報の通知が10分以上になると1週間程度充電なしでも動作することがわかりました。(これは様々な条件により変わる)結果、このデバイスを採用することに決定しました。

システムの概要

大まかな動作は以下の通りです。

  1. ソラコムデバイスが位置情報等を取得

  2. 通信キャリアのネットワークを経てデータベースへ位置情報を保存

  3. Webページからデータベースへアクセスし、Google Mapにピンを打つ

位置情報の他に、位置情報を取得した時間、バッテリーの残量(充電の目安になるため)を取得し情報を可視化しました。

画面イメージ

応用

このシステムの応用として釣りポイントの可視化を考えています。釣りに行ったお客さんがどの位置でどの獲物をどのぐらい取れたのか!という情報がわかるので、瀬戸内海の釣りポイントマップみたいなものを今後作れていけばいいかなと思いました。

最後に

このシステムは話をもらってから3週間程度でリリースできました。以前、携帯電話の基地局の情報を収集する仕組みを作ったことがあり、比較的簡単にできました。これからもこれまでに作ったシステムをどんどん記載していこうと思いますので、応援よろしくお願いいたします。

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