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ここにいると、いつのまにか世界は変わる
「組織論」の講義を3つの科目で担当してもう10年以上になる。学部1年生向けの入門科目、学部の専門科目、MBAコースの科目、どの組織論でも モチベーション(動機付け)というトピックは取り上げているし、学生たちの関心も高いようだ。マズローの欲求段階説などの有名な”古典理論”は学生たちにも知られているのだが、3つの科目全てで議論の中心となるのは 内発的動機付け という考え方。
何か目的を達成するた
越境活動のエスノグラフィー
長岡研究室のメンバーは、自分たちのことをMELC (Management Ethnographers' Learning Community)と呼んでいる。学生向けの説明で言及することはあまりないが、実は、長岡研究室(長岡ゼミ)の活動レパートリーには様々なスタイルの「エスノグラフィー」が散りばめられている。
私たちが「越境」と呼んでいる活動は「参与観察型のフィールドワーク」と呼ぶこともできる。ゼ
「創造的なコラボレーションのデザイン」の経験と語り
「創造的なコラボレーションのデザイン」という活動テーマは、私が法政大学にきて、ゼミを始めた時から変わらず使っている。もう13年になる。当初から「経営学部っぽくない」と言われていたし、確かに、消費者行動論、管理会計論、組織行動論のように学問分野に対応させた活動テーマを掲げるゼミがほとんどなので、「経営学部っぽくない」という評価はその通りだろう。
そして、「経営学部っぽくない」という評価について、私
プロジェクトという方法
6/27にカフェゼミ#61を開催した。ゼミ生たちにとっては今年度2回目のカフェゼミ・プロジェクトだ。この「プロジェクト」という言葉、ゼミ生たちは日常的に耳にしているけれど、意味については何となく曖昧な理解でとどまっていたようだ。
私が担当している「経営組織論」の授業では、「プロジェクトチーム」について、こんなスライドを使って説明している。
授業では、4つの箇条書きにある「一定期間」「多様な専門
健全じゃない自分に気づく
春学期の折り返し地点、大学は「中弛み」の時期かもしれない。体調を崩したり、サボってしまったりするのは避けたいけれど、無理やり頑張ろうとしてもうまくはいかない。心や体はなかなか思い通りにはならないものだ。
さて、頑張るだけではうまくいかないことを認めた上で、私たちにできそうなことは、心と体のちょっとした変化に敏感であることかもしれない。
自分自身のことに関するエスノグラフィーをオート・エスノグラ
オンライン・ゼミをめぐる「始まりの記憶」
「オンライン化」に向けて走りだしたのは2020年2月27日の木曜日。その10日後に予定していたワークショップの中止を決定した翌日のことだった。そして、春学期のゼミを終えたのは、ぴったり20週間後の木曜日、7月16日のことだ。怒涛の20週間を走りきって、今はすっきりした気分だが、始まりは最悪だった。春学期のゼミを終えた今、intangibleな感情が私の中から霧散する前に、「始まりの記憶」を残して
もっとみるお医者さんとはオンラインの方が話しやすいと思う
新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、「オンライン診療」が注目されているようだ。オンライン・ビデオチャットを通じて医師の診察を受けられるので、当然のことながら通院は不要で、いわゆる「院内感染」のリクスも遮断できる。それが注目される理由らしい。
実は私もオンライン診療を受けている。2015年3月、食道がんの手術を終えて自宅療養を始めたのだが、がん再発はなかったけれど体調管理にはなかなか苦労した。動悸
ゆらゆらと歩み続ける
2020年2月、食道がんの手術から5年が経過した。多くのがんでは5年が意味ある数字となる。医師は「5年生存率」に着目し、患者たちは5年先にあるゴールを目指して頑張る。2015年の私もそうだった。でも、ゴールインした今、想像していたような達成感はない。それが「5年生存率60%を生きる」ということなのだと思う。
自分が生きる可能性が数字で示されたのは初めてだった。しかも、「60%」という中途半端さ。