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PMF前のオープンイノベーション活用方法

あまりに引きこもっているのでヨガマット買いました。

前回の記事では、"オープンイノベーションと相性がいいスタートアップ"の話をしました。こちら基本的にPMF後のスタートアップを想定してます。

じゃあPMF前のシード期のスタートアップはどうなの?ということで、事業会社のオープンイノベーションをこのフェーズのスタートアップがどう活用し得るかについて考えました。ちなみにめちゃくちゃ私見です。

1. PMFとは?

この辺を参考にして頂けると!

ここではざっくりと"顧客やチャネルに対してプロダクトが刺さってる感が出ること"と定義しておきます。

このフェーズの前が今回の対象になります。言い換えると、

本当にこの顧客にこの課題が存在しているのか?
このソリューションは顧客の課題を解決できそうか?
顧客の購入プロセスにおいて、今想定している売り方は最適化?
購入の意思決定までに必要なタイムラインはどの程度か?
予算感はどの程度か?Pricingは適切か?
このUIでユーザーは問題なくオンボーディングできるか?

などが定まっていないフェーズということです。このタイミングで事業会社とガッツリアライアンスを組むと、ピボットの可能性もあるし、協業が事業にとってノイズになってしまう可能性もあるので、一定のリスクを負うことになります。

2. PMF前のオープンイノベーション活用はNG?

とはいえコーポレートアクセラレーター等のオープンイノベーションツールでは、シードフェーズがNGな訳ではありません。むしろプログラムによっては歓迎されます。

ただしその場合、いきなりアライアンスを目的とするよりも、スタートアップの仮説検証を事業会社側のアセットでサポートしつつ、仮説検証サイクルや市場について事業会社も学習する、という"学習可能性"を追求するパターンや、事業会社にとって将来的に取り組みたいテーマであるため、中期的な協業を見据えてスタートアップを育成していくパターンが事業会社側の狙いになるかと。(他方で、このようなアプローチは事業会社の新規事業部門にとっても成果が出辛いこともあり負荷となりやすく、実行可能なのはどちらかというとオープンイノベーションや新規事業開発に慣れている or 理解が深い事業会社になるので、その点注意が必要です。)

3. PMF前のオープンイノベーション活用方法

では具体的にどのような活用パターンがあるか見ていきましょう。(あくまで例であって、これ以外がNGという訳ではありません。)

a. 課題仮説の検証に使う

- 事業会社が顧客となり得る場合
- 事業会社が顧客となり得るプレイヤーの接点を多く有する場合

これらのケースでは、そもそも課題が存在するか?を検証するためにユーザーインタビューを実施したり、プロトタイプをいじってもらったりするためにオープンイノベーションプログラムを活用したりできます。

また、Horizontalなプロダクトを取り扱っている場合、特定の部署の課題を深掘りすることもできます。例えば人事部や総務部向けのプロダクトを取り扱っている場合、新規事業部門経由でこれらの部署にリーチして検証するという感じです。(この場合、なぜその事業会社が選ばれるのか?という観点が希薄になり実行は難しいかもしれません。)

b. ソリューションの最適性の検証に使う

- 事業会社が顧客となり得る場合
- 事業会社が顧客となり得るプレイヤーの接点を多く有する場合

プロダクトのα版を作り込むにあたって、オープンイノベーション活動を実施する事業会社をファーストカスタマーと見立てて検証をまわしていくケースです。オープンイノベーション活動の文脈では、事業会社側も結構色々なことをフランクに教えてくれたりするケースもありますので、実際にプロダクトを売っていく際の意思決定構造であったり、予算感であったり、また、ソフトウェアの場合はセキュリティ上のハードルだったり、それらもあわせて確認できるとベターです。

また、Enterprise向けで複数部署をまたぐプロダクトを設計している場合は、他部署のキーマンと会う機会をここで作り込んでいき、プロダクトがローンチした際に、速やかに横展開をしていけるよう仕込みましょう。

上記のような文脈であればそこまで難しくはありませんが、ハードなアセットを用いた検証だと少しハードルが上がります。(例えば、検証に際してリアル店舗などが必要になる場合。)

ハードなアセットを用いる場合は、単にお願いしても突破が難しく、双方にとってメリットのある絵を描いてPoCを設計していかないとそもそも議論のテーブルに乗らない可能性が高いです。(この点は前記事で説明したアライアンス設計とほぼ同様ですね。)

※再掲

アライアンスの場合は、"不足した資源を取りに行く"という発想をもとにオープンイノベーション活動に関わっていきますが、このようなシードフェーズの場合は、"不確かな知識を確かにしに行く"というスタンスで臨むことを推奨します!フェーズに応じてアプローチを変えていきましょう!

※後日追記するかもです。

有難うございました🙏

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