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【能登ボランティアの旅 その4】

【ラストスパートな作業】
最終日の朝、最近購入してこの旅に持ってきた、小型エスプレッソメーカーの出番だ。
インスタントのコーヒーはあるものの、淹れたてのコーヒーはやっぱりうまい。それをみなさんにも飲んでもらおうと、考えていた。
キャンプ用のセットで3杯ぐらいしかできないので、何ターンかに分けて淹れていく。
しかし、最後の自分の分を入れようとしたときに悲劇が起きた。
お話しながら淹れていたのが災いしてか、なんと水を入れ忘れたまま火にかけてしまったのだ!
焦げ臭いにおいに気付いて火からおろし、一旦水で急冷。しかし、部品のパッキンが溶け落ちてしまい、直ぐには修復不能の状態になってしまう。
まあ、みんなの分は淹れることができたので、まあ良しとしよう。

朝食を終えて、ベースへと向かう。
さて、今日の作業は??と見ると、ハツリの欄に自分の名が。
ほう…あのコンクリとかを砕くやつね…
使ったことはないけど、ペアのゴーさんが扱えるらしく、そのサポート役か。
聞くと、傾いてしまったブロック塀の解体作業ということだ。

現場に向かうと、まあまあな長さの塀が待ち受けている。
建物に倒れこんで止まった形で、下手にやると傷をつけてしまいそうで怖いところ。
試しに、ゴーさんがハツリ機を当ててみる。
しかしそのハツリ機、残念ながらハンディサイズの小型なモノ。扱いやすそうではあるものの、破壊力もほどほどで、なかなかブロック塀には歯が立たない。

これじゃあ砕くだけで日が暮れそうなので、一計を案じる。手前が駐車場でスペースが広いことを活かして、クルマで引っ張って倒してやろうというのだ。
ガラを運ぶのに荷室が広い方が…ということで起用していた僕の車を引っ込め、ゴーさんの四駆車に交換。
あわよくば、倒れて粉々になってくれれば後は土嚢袋に入れるだけで済むな…と算段。

いざ引っ張ってみると…
ゆっくり、パタンっとそのままの形を維持して倒れる。
流石に都合よくはいかないか。


あとは巨大なハンマーを振り上げて、フルパワーで振り下ろすのみ。
なかなか簡単には崩れてくれないのだが、それでも少しずつ作業をすすめ、なんとか午前中で全てを崩すことに成功。
午後は袋に詰めて捨てるだけという状態にできた。
僕はここで帰るので、キリが良いところまでできたのは良かった。


ベースに戻り、お昼ご飯を頂く。なんと、炊き出し組が僕らの昼ご飯を作ろうとしたところに、宮崎の養豚場からトンカツが大量に届いたとかで、メニューを変更してトンカツにしてくれた。
目の前で揚げてくれるトンカツはとてもサクサクで美味。
エビ汁もあってとても豪華な昼食だった。
沢山あって余っていたので、遠慮せずにお代わり。午後の作業があったらあまり食べ過ぎると…というところだった。

同じタイミングで帰るというメンバーも多く、今日で人数が少なくなってしまうもよう。
先にも話したが、現地はまだまだ人手不足。
少しでも復興に向けて、人手が欲しいところだ。どのお宅も高齢者ばかりで、力仕事のできる若者だけでなく、心のケア(話相手など)に当たる人も求められているとのことだ。

3日間だけだったが、沢山の経験ができた。腕はパンパンで、とてつもない疲労感だが、充実感もひとしおだ。
またぜひ、会いましょう!と挨拶を交わして出発した。


【頑張った自分へのご褒美タイム!】
さて、向かう先は穴水。
ここで、シャルソン仲間でおなじみの和尚と合流するのだ。
能登に居ることを投稿したら、丁度、同じタイミングで北陸に来ていると連絡をくれたので、合流しようということに。

実はこの日、金沢に真っすぐ向かうか?とも思っていたのだが、ふと、数日前に被災から復旧した、のと鉄道に乗ることができないか?と思いたった。
しかし本数が少ない暫定ダイヤということもあってか、穴水などにクルマを置いて、能登鉄道を往復…というパターンはこの後の予定に間に合わず、不可。
そこで考えたのが、和尚に能登中島駅にクルマで来てもらい、そこから列車で穴水へ。
そこで僕と合流し、クルマを預けて回送してもらい、僕は能登中島駅まで乗車するという方法。彼もローカル線に乗ったりするのは好きなので、お互いにWINWINな作戦だ。

穴水もまだまだ復興途上。崩れた建物が多く、大変な様相。
駅から営業しているスーパーまで歩き、お土産を購入。こういった消費活動で、少しでも現地にお金が落ちればと思う。
おしょうも他の要件で北陸に来ていたのだが、能登のことも気にはなっていたものの、行ってもいいのかという現状に尻込みしていたところ。
僕がいることによって、現状を見るキッカケになってよかったという。


一旦ここで分かれ、僕はのと鉄道で能登中島駅へ。
所々、真新しい路盤なのは、被害を受けた場所なのだろう。ただ気づいたのは、トンネルはあまり被害を受けたようには見えないこと。昭和初期のかなり古い構造のはずだが、昔の頑丈な造りが功を奏しているのか?


途中の能登鹿島駅は、桜のトンネル。岐阜ではもう葉桜となっていたが、桜前線に追いつくことが出来た。今年は花見が二回出来たということだ。
かなり観光客も多く、ホームで列車との写真を撮る人が多い。
穴水はかなりの被害であったが、南に降りるにつれて、少しずつ被害が少なくなっているのが、車窓から見て取れる。能登島を眺めながら、概ね快走して能登中島駅へ。


案外、列車より時間が掛かっておしょうが到着。車を乗り換えて、それぞれで金沢へと向かう。
今夜の宿は、兼六園の裏手に当たる、あかつきという古民家ゲストハウス。
ボランティアで疲れているところで少しノンビリできるようなところ…と、ここをチョイスしたのだ。なんとラッキーなことに、県の旅行支援割引の対象としていただき、激安で泊まることが出来る。発売開始と共に売り切れという噂で諦めていたが、小さいところはまだ残っていたのか。
ここは登録有形文化財という点ではホニャラノイエと同じ。オーナーのこだわりと几帳面さが垣間見える、古さを大事にしながらも、とても綺麗に整備された古民家宿だ。
金沢というと、ひがし茶屋街などのオーバーツーリズムも報道されたりしていたが、兼六園の裏手に当たるエリアは、想像していたよりも閑静な住宅街。


チェックインした後に、和尚と近くのお寿司屋さんで合流だ。ここは夜ご飯に目をつけていて、なんと3300~4400円の間の任意のコースで、26貫まで寿司が食べ放題というちょっと変わったシステム。
人気のようで17時しか予約が取れず、早めの夕ご飯だ。
渋い大将が握ってくれるお寿司はどれも旨い。疲れを癒すにはとても最高な自分へのご褒美。しかし、このクオリティーでこのお値段は、非常に安いと思う。ぜひまた金沢に来たら食べに来たいものだ。

まだ外に出ても明るい時間帯。しかしお腹いっぱいになったら少し眠いな~と思いつつも、おしょうに誘われ、少し離れたところの温泉へ。実は宿の近くにも温泉があったのだが、こっちが気になるんだよね~と言っていた、金城温泉へ足を延ばす。
全国を股にかけるおしょう。ここは従っておいた方がいいだろう。
そこが大当たり!茶褐色のモール泉(以外にも、金沢はそれが多いらしい)がかけ流しの浴槽が3種類。サウナと井戸水のコンビネーションも最高だし、座り湯もあるので、気持ちよく使っていたら、何度かいつの間にか寝てしまう。
温泉から出た後のちょっと疲れた感じもなく、とても入りやすい温泉だ。


宿の近くの居酒屋で、おしょうと語りつつの飲み(食べ)直し。
この日は早めに寝よう…と思っていたのだが、結局夜更かししてしまった。


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