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台湾環島旅行記(その8)

【長距離急行の旅】
台湾鉄道に乗り換えるため、地下鉄で都会公園駅へ。ここから楠梓駅までは歩いて乗り換えが出来る。
地下鉄から台湾鉄道への乗り換えなら、高雄駅に戻るか、新左営駅で乗り換えるかがベターなのだが、高雄は昨日歩いたし、新左営駅も新幹線が止まる拠点駅なので、少しローカルな駅の方が面白いだろうと目星をつけていた。
1時間少々時間があるので、街歩きとこれから乗る列車車内での食料を調達だ。

まずは台鉄の駅までブラブラ歩き、途中でから揚げをつまみ食い。
スパイシーなカレー味が付いていて美味だった。
駅の近くで色々と物色。

食堂のメニューを弁当にしてくれるみたいなので、魚の弁当をチョイス。選べるおかずも付いてきて70元。おかずはお店のおにーちゃんのおススメを選んでもらった。


さらに近くの店で、ギョーザも!さらに、フルーツジュースもゲットして、これで万全の態勢だ。なんなら、朝食べきれなかったフルーツの残りもある。

楠梓駅で、ちょっと係員さんに聞きたいことが。
これから乗るのは、長距離急行・苣光号。
途中で自強号に乗り換えることによって、目的地の中歴に早く着くこともできるのだが、その自強号にはICカードで乗れるか?ということを確認したかったのだ。基本的には可能なのだが、新自強号の場合はそれが出来ないので、一応の確認である。



大丈夫だけど、自強号にしても苣光号にしても、長距離を乗るなら席を取った方がいいですよとは、窓口の方のアドバイス。
まあそうなんだろうけど、そこを敢えてICカードでなるべく行ってみたい。
なんせ割引も効くので安いから!!

定刻通り、乗車する苣光号がやってきた。台湾の鉄道は、定時性は比較的高く、今回利用している中でも大きな遅れはなかった。駅の発車標にも1分単位で遅れの予告が出る。
機関車に次いで、青色の荷物列車が2両、そして旅客が乗る8両の客車が繋がる。
この列車は、高雄のもう少し南側、潮州を出発し、台南、海岸線、台北を経由し、グルリと大回りして花蓮に到着するという列車。全行程を乗り通すと12時間も掛かる。


プッシュプルタイプの自強号を含めると、まだまだ客車列車が頑張る台湾だが、それもこれから数年ののちには変わっていくだろう。そのなかでもこの苣光号は貴重な存在。
日本では定期列車は全滅した急行だが、やはりここ台湾でも状況は同じようなモノ。
自強号と区間快車に挟まれて急速に数を減らしている現状は、一昔前のJRでの急行の立場と被るものがある。

高雄から中歴に戻るに際し、速さなどで考えれば新幹線や、プユマ・タロコといった自強号が選択肢となるが、ここをあえて、貴重な客車急行こと苣光号に乗ろうということだ。

2号車に席を陣取る。ガラガラなので余程大丈夫だとは思うが、座席が確保されているわけではないので、どうかな?とドキドキ。
まあ来たら代わればいいか…と、先ほど買い込んだ食料をちびちび食べながら過ごす。

結果から言うと、ほぼ全区間において車内はガラガラ。最大でも乗車率は20%~30%程度だった。都市部に近づくと、下校らしき高校生が乗ってきたりもしたが、殆どの区間では1両に10人程度。指定を取らなくても充分快適に移動することが出来た。

非冷房の荷物車、係員は大変だろうな。駅間では隣の客車に涼みに来ていた。

面白いのが、車両ごとに少しづつ座席が違うこと。
優等列車の退避で長時間停車の時、ホームに出て気分転換をするのだが、荷物も全部持って出るついでに様々な車両を乗り比べてみた。
一見すると同じような車両だが、微妙に座席の種類が違っている。
フットレストがあったりなかったり、リクライニングの角度も微妙に違ったり。飲み物の置台があったりなかったり。
思いっきりリクライニングが深い一番快適な車両を発見し、後半はそこに陣取って快適な旅を楽しんだ。

めっちゃ倒れます!

微妙に運転士さんによっても乗り心地が変わるのは、客車列車ならでは。
停車駅ごとにガクンと揺れる運転士さんだな…と思ったら、流れるようにスムーズに停車、発車をする凄腕の運転士だったり。新型の電車ではなかなかここまではっきりと乗り心地に影響することは少ない。

特急に道を譲る。5本ぐらい抜かされたか?


ぼんやりと異国の景色を眺めながらノンビリとする。
途中で自強号に乗り換えるのもアリかと思っていたが、やはりこの貴重な列車の乗り心地を十分に堪能しようと思う。

途中、彰化という駅から、台鉄の線路は二手に分かれる。海線と山線。
元々は縦貫線として台中を経由する山線が建設されたが、急勾配・線形の悪さから増加する輸送量に対応できないため、勾配の少ない海線が建設され、一時はこちらがメインルートになったという。
しかし、大都市台中を経由しないということや、山線の改良が進んだこともあり、再びメインルートの座は山線に移り、海線は現在、ローカル路線として普通車や苣光号、一部の自強号(ローカルタイプ)が走るのみだ。
僕が乗る苣光号は海線へ。


山線と別れて程なく、ディーゼル自強号が大量に留置されている横を走る。
3年前までは本線の一部に非電化区間があったが、全線電化と新型車両の投入に伴い大量のディーゼル自強号が余剰に。恐らく廃車を待つ運命なのだろう。

単線区間をガタゴトと走る。とはいえ、各駅は2面4線ある大きな規模の駅が多く、かつては幹線だったことがわかる。
海線とはいっても特に車窓がすばらしい…という訳ではなく、海も見えない景色が続く。
海が見えてきたのは後半。もしかしたら夕焼けと海のコラボ?と期待したが、雲に隠れて陽が見えない。
海岸には風力発電が立ち並び、景色を妨げている。

竹南から再び本線と合流し、中歴へとラストスパート。もう景色は真っ暗。うっかり寝過ごさないよう気を付けながら、夜汽車のような雰囲気を楽しんだ。

【最後まで台湾を味わう!】

中歴に到着。以前も訪れたが、駅前は工事が行われていて雰囲気が徐々に変わっていきそう。空港MRTがこちらへも伸びる予定で、その延伸工事も関わっているのだろうか。
ここでは明朝帰国予定の、ジャマーさんと再び合流する。
ちょうど同じ時間ぐらいに到着なので、改札口で待っていると、なかなか降りてこない。
スマホの電池はもう限界に近く、早く合流しないとヤバい。
どうやら反対側の改札に出てしまったらしい。
改札内を通り抜けて反対側に行ってみると、途中で行違ったらしく、またもやいない。
再度反対側(元いた方)に戻る途中で無事に合流、やれやれだ。

ジャマーさんは今朝、GPSランナー一行と別れ、台北で動物園へ行ったり、タワーに登ったりと楽しんだらしい。
仕事のために持っているパソコンで、僕のスマホを充電してもらえたので、ある程度回復!ありがたい。

まずは、駅から直ぐのところにある、GPSランナーのサポートリーダー、ミユキさんのお店へ行ってみることに。乾物?みたいなものを売っているお店らしい。
こんにちは~!と店に入ると、ミユキさんも直ぐに気づいてくれて、迎えてくれる。
そのタイミングで、昨日まで一緒にいたマッスーから電話がかかってきて盛り上がる。
ここではお土産をゲットしようという作戦。いろいろとオマケも付けてくれて、台湾土産を大量に仕入れることが出来た。


そして中歴夜市へ。空港へ向かうまでの間、出発ギリギリまで屋台グルメを楽しもうという魂胆だ。
前回と同じく、食べ物だけでなく、服や雑貨なども置いてあって賑わっている。
ブラブラと歩きながら、色々と食べ歩く。そういえば、小籠包を食べていないことに気付き、どこかにないかな?と探すが中々ない。

そんななか、怪しい輪投げの屋台に足が止まる。見ると景品が現金!手前には100元、奥の方には500元や1000元もあるじゃないか。
聞くと参加費は100元。いっちょやってみるか!と、トライ。
とりあえず参加費は元とって、なんなら1000元取って一攫千金だ!と夢を見たのは最初のほう。
しかし、なかなか入らない。
惜しいところまでは行くのだが、微妙なところで弾かれてしまう。


目が¥マークになっているであろう

5分近い格闘の末…

敗北!

結局一個も入らずに、100元を怪しいおっちゃんに献上して終わったのだ。絶妙に多分無理ではないけど、ギリギリの直径にしてあるのだろう。
まあ面白い体験をさせてもらった。夢を見させてもらった代金としてはまあ程よいだろう。と自分を納得させて、後にするのだった。

後半になると、少しずつ店を畳み始めている。時間はまだ10時ぐらい。
やはりここの夜市の夜は早いな。前回も同じだった。Googlemapでは0時が営業終了となっているが、実際は22時には殆どの屋台が撤収に取り掛かるので、注意が必要。週末はわからないけれど。

だいぶ満足したけど、まだ小籠包を食べていない!殆ど閉店した夜市ゾーンを離れ、最後のワンチャンを賭けて近くのお店を探す。
深夜営業の店の定員さんに、小籠包ある?と聞きまわるも、どこにもない。
うーん、これは無理か?
と思っていたら、その様子を見ていたオニーちゃんがバイクで追いかけて来てくれて、この時間でもやっている小籠包のお店を教えてくれた!
わお!ありがとう!!
少し駅から離れるが、小籠包目指して歩き、無事にゲットすることが出来た。

小籠包への道。深夜の住宅街を歩く

環北からのMRTで桃園空港へ。
サクッとチェックインを済ませて、機内に持ち込めない朝の残りのフルーツや、先ほど手に入れた小籠包を頂く。


明朝まで空港で過ごすというジャマーさんにも別れを告げて、出国手続き。
暑さで体力を消耗したけれど、最高に楽しかった台湾の思い出を綴りながら、飛行機を待った。

快適なロビーで出発の時を待つ

帰りのフライトは気流の乱れはあったものの、行きのような車内販売攻勢はなく、離陸後程なく照明も暗くしてくれたのがありがたい。クルーによってサービスがことなるのだろうか?
気流に乗ったか、セントレアには20分の早着。
無事に日本に帰ってきた。

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