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金平糖(ショートショート)

 少年は夜空に浮かぶ星を金平糖だと思っていました。
 海の水が気化して、空気中で結晶化したのが夜空に浮かぶ金平糖だと信じて疑いませんでした。
 彼の中で海の水は甘く、全てが砂糖水なのでした。
 ではなぜ、夜空に浮かぶ金平糖が、さまざまな色をしているのか。同じ砂糖水からできたものならば、色が異なるのはおかしな話だろう、という意見が出てきました。
 少年は言います。
 夜空を見上げる人々の感情が、金平糖をさまざまに色付けるのです、と。
 ほら、向こうのほうで水色に輝く金平糖はきっと、僕の心が溶け込んでいます。

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