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5G線上のアリサ【最終章#2話】岐阜リンク戦線

#2話:岐阜リンク戦線



【視聴時間=02:40】


「みんな、準備はいい? いくわよ」

アリサの3億円を賭けた加護探索で町は沸いた。

彼女のすべてを晒したカミングアウトは民の心を掴み、年の差25歳離れたこの恋愛の成就のために、あるいは3億円のために岐阜県民は動きだした。

〈5G線上のアリサちゃんのためや、動くぜ!〉

〈俺たちゃ3億のためwww これ行かなきゃ損でしょ?〉

〈さ〜て、お小遣い稼ぎにいくわよ〉

〈容姿は分かっとるな? 突撃や!〉

包囲網が完成をした。

加護は情報を知り得ない中、岐阜県内の交通機関や主要な道路をすべて閉鎖。

池田と井口と平野の力も借りてSNSで追い詰めてーーー。

「ーーーこちらチョーチョー、自動操縦通過地点、電車等、主要交通機関につぶやき完了や」
「ーーー加奈子の垢も懸賞金を伝えたら他県民も食い付いたわよ!」
「ーーーマダム層の方々もバッチリ。大垣市はもう逃げ場なし」
「よし、プレイボールね。加護さん、八名さん、あなたたち国が整備をした5GとIOTの技術を総動員させてもらうわよ」

相手の力を逆手にとって100万人のフォロワーを使い、愛利沙は加護に告白をするためVRメガネを装着し終え、スマホを片手に情報を頼り司令官に変貌を遂げた。

パソコン教室基地局内でフォロワーのデータを掴み取る。

〈加護発見! あ、チクショウ、警察が邪魔してるぅ!〉

〈体育会系の連中を十数人なぎ倒して、加護は警察に守られながら移動をしています。ていうか護送?〉

〈大垣市内にて加護さんを発見しました。5G線上のアリサ、今後の指示を願います〉

「了解しました」

さすがは国家権力の者。

動く時は警察も使う。

加護は特別に警察の護送で高速道路を使いながら、東京へ帰還を果たすことが最初に描いたプランのようだが―――

「―――池田さん、30億に引き上げられる?」

「懸賞金か? 国家権力に立ち向かうなら3億では心細いわな」

「話が早くて助かります」

懸賞金を十倍に。

傷付けないよう約束をさせ、加護を渡すようツリートを飛ばし愛利沙はキビキビ指示をし続け―――

〈了解!〉

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『”Fire Breather”perfomed by Stuart Rau,used under license from Shutterstock』

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