5G線上のアリサ【第3章#9話】勝利へのワンチャンス
#9話:勝利へのワンチャンス
【視聴時間=08:00】↑表記ミス。#9話です。
生徒の4人は教師を知るから瞳を閉じて受け入れだした。
今まで言うべき言葉をようやくこの場で出せたその現実を、心の内で拍手していたが教室内で叩きだした。
叱られたくせにまるで誰かが卒業するかのような気持ちで―――
VR空間内では掴めぬ空気が教室を包み込んでいる。
変わる現実を恐れることなく指を差して選んだ愛利沙。
これから彼女がどうなるのかは誰にも分からぬままでいるが、壊れたアリサは新たな自分を作るきっかけを生み出した。
機能をオフラインに変えて配信視点の遮断を終えて、愛利沙は加護の言葉を聞いてようやく正気を取り戻すがーーー
昨日の今日まで町民だった愛利沙は今や国民的に。
村八分になる方向へ走り厳しい対処を多く受ける。
思えば愛利沙の人生すべてはHNアリサによって、人と繋がり虚構の世界や匿名で生きた自分自身が、地に足着かないままの大人になった残骸のようなもの。
SNSでどれだけ多くフォロワーが増えたとしても、ゲームで多くの課金をしてもイイネやリツリートをされても、結局のところ人生は何も変わるどころか悪化の一途。
自分の居場所は5G線上の世界にないというのは愛利沙にとって、人生を捨て社会の中からはぐれることを意味しているからーーー
ドロップアウトをした自分を助けてくれたネット社会が、今では大きな敵へと変わり攻撃してくることへとなった。
愛利沙は自分が一体今までどんな世界で生きてきたのか、この場で改め考えることの必要な時が差し迫る。
膝から崩れ泣き出しそうな教師を生徒が支え始める。
恋愛、友情、付き合いすべてがネット上の出来事だった。
愛利沙は自分の人生の中に転機が来たのを感じながらーーー
逃げずに戦う準備ができた。
痛みを伴い向き合いだした。
現実社会と付き合う覚悟を自らの意思で選び抜いた、清水愛利沙は100万人のフォロワーに誓いこうつぶやくーーー
地に足着かないままの人生は徐々にその根を生やしてきたが、大事な生徒を失うか否か試されるような状況の中ーーー
と、
ロートルズは円陣を組み愛利沙を強く抱き締めあった。
華はないけれど枯れる寸前の最後の命をこの場で燃やし、慣れないネット環境の中でジジイはGGにすると、この場で共に約束しながら「参戦するぞ!」と覚悟を決めた。
『”Hope of Love”perfomed by SoundDesign,used under license from Shutterstock』
『”Emotionality”perfomed by Simon Stevens,used under license from Shutterstock』
『”End of Time”perfomed by Soulish,used under license from Shutterstock』
Thank you for reading!