5G線上のアリサ【最終章#1話】愛する人に懸賞金を
#1話:愛する人に懸賞金を
前回までのあらすじ
国を救い、アップデートをするためにアリサのパソコン教室でネットを学んでいた八名蜂谷総理大臣。
アイムソーリーの予言は国家政策を知っている総理大臣のつぶやきであった。
アイデアの元はすべて、アリサのパソコン教室で話し合う理想の未来の日本の姿を具現化したもの。
令和の予言者の情報源はロートルズだったのだ。
総理と加護の身を呈した告白と謝罪に国民は納得。
炎上騒ぎは無事に収まったものの、加護は自責の念と任務完了により愛利沙から別れ、東京に帰ろうとする。
30兆円の利益を生み出した岐阜県揖斐郡池田町には3000億円が還元された。
その中の3億円を使い、愛利沙たちは加護を追跡するのであった。
【視聴時間=02:30】
自己愛。
今となってそれはとても可愛い響きになった。
自分を大事にするのは大事。
だけど他人は他人のままの自分はやめた。
傷付くことを恐れぬ道を選んでいくわ。
天災・戦争・細菌時代を乗り越えるこの日本は、あたしのパソコン教室を使いずいぶん進歩を遂げたようね。
利己でも利用の愛でもなくて、利益や利潤を生む愛ならば、天国にいる両親にも感謝できるようになった。
あたしは自分が嫌いだった。
それも過去形になれるのかな?
過去から学び、痛みに耐えて「今こそ行こう!」と出撃しよう。
加護さんのいた5年間はあたしにとって幸せだった。
授業料の3000億の1000分の1をここで使おう。
一生遊んで暮らすよりもあなたと一緒の暮らしを選ぶ。
だから立ち向かうと決めた。
逃げるな!
愛する最初の生徒。
年の差なんて、身分なんて、本気の恋には関係ないの。
あなたが欲しい。
必要なんだ。
人生を変えてくれた人よ。
と。
つぶやき終えた。
彼の画像も載せて送信。
戦闘開始。
これで岐阜県南部全域に包囲網が完成したわ。
今は本当に。
ジジイのGGは八名と加護のゲームじゃないと証明してみせるから。
『”Falling in Love”perfomed by Simon Stevens,used under license from Shutterstock』
Thank you for reading!