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イタリアのレストランで働くということ。前編

今回は僕が以前少しイタリアにいてまた今回イタリアに来てみて見えてきた日本のレストランとイタリアのレストランで働く事の違いについて書いてみようと思う。
①料理だけでなく全てに言えるがイタリアは日本に比べて適当だ。
食材の処理や料理の細かい部分、日本とイタリアの同格くらいのレストランを比べても、仕事の繊細さで言えば日本の方が丁寧で正確。
しかしイタリアの伝統料理にはそんな適当さがあってこそのものも多く存在する。
例えば、PIZZA。真剣な顔で静かに正確に作ったピザより、みんなで笑いながらちょっと適当にあーだこーだ言いながら作った方が美味しかったりする。だからこの適当さは良い部分でもあり悪い部分でもある。

②日本のような厳しい上下関係や忖度は無い。
僕がイタリアで仕事をしている中で1番良いなと思うところだ。日本のような堅苦しい上下関係はまるでない。
例えば、遊びでシェフをみんなで担いで店の外に運んだり先輩にトマトを投げたり。
最初こういう光景を見た時びっくりした。
日本ではまぁあり得ない事だろう。
イタリアでは料理業界だけでなく全ての場面で年齢、立場関係なく楽しむ時はみんなで楽しむし、上の人たちも意味のない威厳や無駄なプライドは持っていない。
これはレストランの現場ではプラスに働く事が本当に多い。
下の立場の子も上の先輩に対してありのままの思っている意見を言えている。
日本では上司に言いづらい問題でもイタリアでは思ったらすぐに伝える。
料理の味や盛り付け、全てに対して忖度なしで意見を言い合う。
だから最終的に現場のみんなが納得した良いものが出来上がり、みんなが団結して取り組める。
そしてこれが成り立つ要因はみんながみんなに対して愛を持って接しているからだ。

これが日本で自信を持って出来ていると言えるレストランや企業はどれだけあるのか。

③イタリアでは立場に関しては年功序列ではなく実力主義。
これは決して堅苦しい意味ではない。
前提として②があって、年齢関係なくその人の性格や、実力に見合った立場や仕事ができるという事だ。
例えば厨房で2週間働いてみて、あまり良い仕事ができずに戦力外になっても次の週からサービスをやってみてそこで開花して、中堅の立場から始めるという人もいたり、年齢が若くても良い仕事が出来れば上はしっかり認めて次のステップを与えてくれる。だから若い芽が育つ。
これも今の日本ではなかなか無い。

とここまでプラスの面を書いてみたがやはりマイナスな面もある。それを後編で書いてみる



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