見出し画像

名作SF「三体」、「第五の季節」の共通点と違いについて

最近話題の名作SF「三体」と「第五の季節」の違いをレビューします。

似てる面もあるけどまあ違います。

最近話題の名作SF「三体」「第五の季節」とは?3分でわかるあらすじで解説!

まずは三体を解説します。

画像1

三体というのは中国の小説家・劉慈欣さんによるSF小説。3つの物体による引力が云々という三体問題から名前をとったタイトルとなっています。

ストーリーとしては、以下の通り。

ある分野の科学者が謎の変死を遂げる事件が多発し、調査していくと三体という謎のVRゲームに行き着く。ゲームでは2つのが存在する三体世界を体感でき、そこでは太陽が荒ぶる季節と比較的穏やかな季節があり、前者では環境が過酷すぎるため、ほぼ全ての文明は滅びます。しかし、三体星人は自らを脱水し、仮死状態でこの季節を乗り切る技を持っており、一部の王族のみがピラミッドの奥地で生き延び、季節が変わったら庶民を起こして回ることができます。そんな三体ワールドをクリアすると、秘密のオフ会に呼ばれることに・・。そこで三体世界はVRの中だけでなく、実在する惑星と宇宙人を模したものだと説明される。冒頭の科学者の変死は、地球への侵攻を開始した三体人が、自分たちの脅威となる分野の研究が進まぬようにするための妨害工作であることがわかり、具体的には、対象者の視界の中に、決して消えない数字を刻印し、絶望感を与えるという手法。目の中で徐々に数が減っていく数字を見続けた人間はやがて気が狂って自殺してしまう・・・。
第1巻の最後では、三体人の味方をする地球人の勢力(ETO)と三体人の進行を食い止めようとする勢力との間の戦いとなり、ETOの乗る船をナノファイバーで両断して防衛陣営が勝利する。
しかし、三体人はすでに地球への進行を開始しており、到着は約400年後であることがわかる。(第1巻終了)

こんな感じです。

続いては第五の季節です。

画像2

第五の季節はアメリカの作家・N・K・ジェミシンによるSF作品、こちらも三部作であらすじは以下の通り。

人々は数世紀に一回やってくる「第五の季節」によりほぼ壊滅する。オロジェンと呼ばれる能力者は地球のエネルギーを利用して地殻変動(「第五の季節」のミニチュア版)を起こすことができ、暴発した能力により多くの人々が亡くなるため、忌み嫌われている。本作は3つのオロジェンにまつわるストーリーが並行する。一つ目は自らがオロジェンであり、息子もオロジェンであったが、実の父親により息子を殺された女性の話。二つ目はオロジェンであることが発覚し、倉庫に閉じ込められていたところをオロジェン監視機関(フルクラム)により保護され、特別な訓練を受けるようになった少女の話。3つ目はすでに認められたオロジェン(四指輪)であり、さらに格上のオロジェン(十指輪)とともにミッションを与えられた女性の話。この3つが進行するにつれ、徐々に世界を覆う謎が明らかになってくる。最終的にとあるオロジェンがオベリスクと呼ばれる過去文明の遺物を使い、新たな「第五の季節」を引き起こす・・・。

3つのストーリーが並行しているからあらすじが難しいんですがこんな感じ。

第五の季節と三体の共通点と違い

画像3

この2つの小説ですが、結構似ている点とそうでない点があります。

似ている点はこんな感じ。

・三部作SFである
・世界的ベストセラーである
・地球の危機を描いている

まずどちらも三部作の構成のSF小説。三体は2020年8月現在第2巻まで日本で発売、第五の季節は1巻のみです。ただどちらも英語版は完結済みで名だたる賞を総なめにしているため、日本語版も3作目まで刊行が決まっています。

最後にストーリーに関しては、どちらも地球(第五の季節は架空の世界だが)に危機が訪れ、それを対処していくという物語です。対処する内容は三体は宇宙人、第五の季節は異常気象という違いはあるものの、未知の敵がいるという点は同じ。

あと、人権問題に踏み込んでいるという点も(海外の作品はだいたいそうではあるものの)日本的には新しいかなと思います。

違いに関しては、

三体・・・時系列に沿ってる
第五の季節・・・時系列もバラバラ

という点があるかなと思っています。三体も語り手が何度か変わったりはあるんですが、時系列的には過去→未来となっています。

対して、第五の季節では、3つのストーリーのそれぞれの中での時系列は順になっているものの、ストーリー間の時系列はバラバラ。

この点が大きな違いです。

あとは第五の季節では語り口が二人称と三人称の間のような「あんた」が用いられていたり、よりファンタジー性が強い点などが挙げられます。

※「あんたは○○を見る。」みたいな感じで「彼女は」が「あんたは」に置き換えられた独特の表現。

※一方三体はより物理的な理論に基づいたSF展開が多くて、理解が大変だったりもします。第五の季節は世界観こそ独特ですがSF理論自体は割とノリで理解できる

三体と第五の季節!両方読むと世界観が広がる!

という感じがそれぞれの共通点と違い(ざっくり)でした。

まあ、いうて両方ともかなり良い内容だなと思う(世界観が広がる)ので、ぜひ読んでみてください。

そんな感じ!終わり。


たkると申します。麻雀用品のサイトと書評サイト、そのほか色々とサイト運営をやっています。Noteではサイト運営とか麻雀のノウハウを書いていきます。よろしくお願いいたします。