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言葉の覚え書き

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2020年6月の記事一覧

「志向」と「指向」

「志向」は、ある物事に対して、憧れを抱きながら目指すこと。 「指向」は、物理的に特定の方向を向くことです。 就職先として大企業を志向する学生たち 探知機が発信源を指向する。

「低減」と「逓減」

単に減るという意味では、「低減」。 「逓減」は、だんだんと減ること。「逓」は、段階的に、順を追って、という意味です。かつて郵便や電信を司っていた官庁である「逓信省」の「逓信(テイシン)」も、次々と送り伝えることを表しています。

二次カンスウ

「関数」は同音の漢字による書きかえ。元は「函数」。 中国語の「函數」(hánshù)から来ており、これは英語のfunctionを音訳したものであるといわれています。

目をシゲキする。

「刺激」は同音の漢字による書きかえ。本来は「刺戟」。 「戟」は枝刃のあるほこを表す会意文字です。

「成長」と「生長」

「成長」は、人や動物が育って大きくなること。 「生長」は、植物が育つことです。

さびしい? さみしい?

『日本国語大辞典』(精選版)によると、上代の「さぶし」が平安時代に「さびし」となり、それがさらに「さみし」に変化したとされています。 よって、「さびしい」がより古い形であるといえます。

「出会い」と「出合い」

「出会い」は、人が対面したり、知り合いになったりすること。 「出合い」は、事物と遭遇するとか、また川の流れや道などが一つに集まることをいいます。

「ゆうづう」? 「ゆうずう」?

現代仮名遣いでは、連濁や複合語を除き、原則として「ぢ」「づ」ではなく「じ」「ず」を用いることになっているので、「融通」は「ゆうずう」となります。

カッパツな議論

「活発」は同音の漢字による書きかえ。本来は「活潑」。 「潑」は、生き生きとしている、気魄(きはく)がある、という意味です。「元気はつらつ」の「はつらつ」は「潑剌」と書きます。

変換ミスに気をつけましょう(2回目)。

これも後でこっそり差し替えられるのでしょうね。

「熱意が『伺』える」?

「伺う」は 、「聞く」「尋ねる」や「訪問する」の謙譲語で用います。 御社の評判はかねがね伺っております。 明日、ご挨拶に伺います。 「様子を見る」「垣間見る」という意味のときは、「窺う」と書きます。 親の顔色を窺う。 自信に満ちた様子から、彼の熱意が窺える。

「呈示」と「提示」

「呈示」は、実際に目の前に出して見せること。 「提示」は、物理的に見せるのではなく、その場で話題にして相手にわからせることです。 係員に入場券を呈示する。 序文で論点を提示する。

「話しずらい」?

「話す」と「つらい」に分解できる複合語です。現代仮名遣いでは、「ぢ」「づ」が現れる語のうち、原則として二語に分解できる場合は、「ぢ」「づ」をそのまま生かすことになっているので、「話しづらい」と表記します。

ユソウセン

「油送船」は同音の漢字による書きかえ。「油槽船」が正しい表記。 言うまでもないことですが、「槽」はタンク(tank)です。船体の中にタンクがあるから「油槽船」なのであり、タンカー(tanker)と言うのです。