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PR(パブリックリレーション)とは?

『広報』『PR』の違いがよくわからない?

「広報やPRというキーワードは聞いたことはあるけれど、その違いが分からない」。という方に向けて、広報とPR(パブリックリレーションズ)の違いを解説していきます。

広報とは?

広報作業の説明

広報の仕事は大きく分けて『社外広報』と『社内広報』に分別されます。社外広報としての役割は自社の商品やサービスを世の中に広めることです。

具体的にはマスメディアへの掲載を狙って、プレスリリースの作成やメディアリレーションを活用してのアプローチを指すことが多いでしょう。ちなみに、メディアに取り上げて貰う際にメディアにお金を支払い掲載して貰う『広告』とは異なります。あくまでも、メディアが自発的に取り上げるように働きかけます。

一方、社内広報では、会社で働くメンバーに向けた情報発信が主となります。自社の経営戦略を社員に浸透させたり、仕事の充実度を高める為に、社内向けのイベント企画も社内広報の役割です。

PR(パブリック・リレーションズ)とは?

PR(パブリック・リレーションズ)とは、企業をとりまくステークホルダーと良好な関係を構築する為の全ての手段です。簡単に言うと、””と”企業や団体”を繋げる活動です。

PRとは

●営業部⇒顧客や企業
●IR部門⇒株主
●採用担当⇒学生や転職者
●広報担当⇒マスメディアやインフルエンサー

が関係構築の対象となるでしょう。
その為、PR(パブリック・リレーション)は広報部門だけの仕事ではありません。経営に関わる、全ての人が持っておくべき概念です。

1年で20店舗も増やしたPR発想のラーメン屋

PR(パブリックリレーション)の発想でわずか一年で、店舗を20店舗も増やしたラーメン店があります。具体的な店舗名は公開できませんが、PR事例として非常に参考になるかと思いますので、紹介したいと思います。

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第一号店は山梨県富士河口湖。そのラーメン店は2019年に誕生しました。店舗はキッチンカー1台の小さなラーメン屋さんです。開店当時は資金もなかった為、広告もメディアアプローチもしていませんでした。お客様も1日に20名ほど、駅前にあったのですがまさにガラガラ。

しかし、そのラーメン屋さんのスタッフは、お客様が笑顔でラーメンをすする様子をひたすら写真に撮り続けたのです。写真は、お客様のスマホと自身のスマホ、両方で撮影しました。そして、来店された方には積極的に話しかけ、1回の来店体験を少しでも楽しんでいただけるよう、トッピングや飲み物をサービスする等など、とにかく喜んでもらえるようにしたのです。

結果、トリップアドバイザー上には、たくさんの良質な口コミが投稿されました。店舗の公式インスタグラムには、外国人のたくさんの笑顔の写真

そう、富士河口湖の店舗ということもあり、このラーメン屋さんのお客様は外国人観光客だったのです。口コミが口コミを呼び、数か月後のお昼時には30名ほどの行列ができるようになり、ラーメンの器を洗う暇もないほどの大盛況に!

結果、『外国人が行列を作るラーメン店』としてキー局の番組に取材されました。その後、報道連鎖が始まり毎月のようにメディアに取り上げられるようになりました。メディア露出の後押しもあり、約1年で全国に20店舗も展開することになったのです。

メディア露出だけがPRではありません

このラーメン屋さんの事例をプロモーション視点で、噛み砕いて見てみると。実施した施策は順番に、①接客方法の改善⇒②口コミの獲得⇒③メディア展開。プレスリリースの書き方を工夫したわけでも、メディアリレーションを作ったわけでもありません。

最初の施策は『接客方法の改善』なのです。

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実は、オーナーがPRの概念を知っていたので、これらの施策はメディア露出から逆算して行っていました。接客時、いかにお客様に感動していただけるかが、口コミ創出のポイントであることも知っていました。(オーナーは元広告代理店出身)

通常のPR活動(リリース作成・プロモート)にリソースを一切注ぐこと無く、キー局の露出に成功したのです。これも立派な”企業と顧客”間のPR活動(パブリックリレーション)と言えます。そこにメディアは介入していません。

日本のPRはメディア露出しか見れていない

しかし、PR会社ですら”メディア露出”にしか焦点が当たっていないのが現状です。最近では、メディアに露出する『プレスリリースの書き方』や『メディアリレーションの作り方』ばかりが語られている気がします。もちろん大切なことではあります、しかし、これはPRの中にある”広報”だけのお話です。

実はPR(パブリックリレーション)を突き詰めると、とても奥が深いんです。広報の作業だけをみれば、高校生でもできる簡単な作業です。しかし、ラーメン店のオーナーの様な、PR的発想は一朝一夕では身につけることはできません。

大切なのは”PR発想”

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PRプランニングを行う上で大切なのは、PR発想(考え方)です。
そしてその発想は、広報でも営業でも商品開発でも共通するのです。

関係する人・社会・業界にとって、その施策(行動)が役に立つのか?を突き詰めていくと、自ずと良質なPR施策に行き着くはずです。そして、その副産物として”メディア露出”にも自然に結びついていくでしょう。


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