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好きなものほど語れない

私には好きなものが多くある。特に好きなロックバンドで言うと、QueenやThe Beatles、くるりやサカナクションあたりだろうか。ロックの成立過程や発展の歴史を学び、探究していくことも好きだ。もちろんロック以外も好きである。

音楽以外で言うと、漫画ではドラえもんが好きである。劇場版含め、全て本を買い揃えているほどだ。映画で言うと、Back To The Futureが大好きだ。子どもの頃はデロリアン号に憧れ、大人になったら絶対に買ってやると意気込んでいたほどに。

スポーツならば野球である。阪神タイガースのファンクラブに入って、もう長い。来年からはダイヤモンド会員だ。テニスも10年以上続けていたし、卓球部に所属していたこともある。皆さんはあまり印象はないだろうが、意外と私も運動をしていたのだ。

もちろんゲームも大好きである。特に任天堂信者である。今はなき制度であるクラブニンテンドーでは、ポイント制度というものが存在した。それはソフトをたくさん買えばゴールド会員、プラチナ会員とランクが上がっていくというものであった。私は本垢ではプラチナ会員、サブ垢ではゴールド会員だった。まさにゲーマーだった。

そう、好きなものは多くある。その愛の大きさは何物にも代えがたいものだ。しかしその大きさが理由であるのだろうか、どうも話題に出そうとすると、喉で引っかかる。他人に語ることが難しいのである。

そもそも自分の愛が大きすぎる故に、このままの思いをぶつけてしまえば、相手はたじろいでしまうだろう。そんな高カロリーなものを摂取してしまえば、一口でお腹いっぱい。ご馳走様だ。

ならばと思い、できるだけ分かりやすく簡潔に説明しようと考えてみる。しかしまた壁は立ちはだかる。愛ゆえに削ぎ落とすことが出来ないのだ。ここはまだ食べられる!美味しい部分だ!そう考えてしまい。カロリーを抑えられない。

また、自分のせいで大好きなものが嫌われるのではないか、という怖さもある。自分の語りが余計な味付けをしてしまうリスクである。

出来ればぶくぶくに太らせてやりたい。しかし、近年は娯楽の多様化の流れが進むことで、それぞれの娯楽や文化一つ一つに対する関心は薄れている。デパ地下の試食状態である。そういう訳で好きなものを熱く語ることは時代の流れと逆行した行動なのではないか、そう考えるようにもなってしまった。しかしそれではあまりにもつまらない。勿体ない。

好きなものほど語れない。時代の流れ、愛の大きさ。理由は様々あるが、それでも私は何としてでも語っていきたいと思う。私が作ったものでは無いが、こんなに美味しいものが世の中にはあるんだよ、それを知ってもらう媒介者にはなりたい。みなさんもぜひ私に語って欲しい。私はお腹がすいている。

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