見出し画像

ドラッグストア従業員の独り言「昔取った杵柄を引っぱり出す」

コロナ感染対策の一環として、レジカウンターにビニールカーテンを設置するお店が多く見られます。

自分の勤務する店舗でも実装され、お客さんと従業員の間に透明のシートが釣り下げられました。

飛沫感染のリスクを軽減するための措置。生活維持に関わる仕事は休めないため、対策を講じることはお客さんと従業員双方にとって重要です。いま出来ることを行って、事態の収束を願うばかり。

ナイスなアイデアのビニールカーテン、実は悩ましい問題もあります。

それは会話がしにくいということ。正確に言うと声が通りにくい

ただでさえマスクという遮蔽物によって声が聞こえにくくなっている状態。さらにビニールカーテンのバリアーまで挟むと、声のやり取りは難易度を高めます。

自分も客側として経験したから分かりますが、相手の声を聞き取ることにいつも以上の集中力を使います。店員さんの発声が小さいと何を言っているのか分からない(買い物自体には困らないけれど)

やりとりに時間がかればレジの回転が悪くなり、そのぶん行列ができ、店内の密集率が上昇。望ましくない状況を生み出してしまう。ただでさえ毎日レジを全部開けて対応している忙しさなのに……。

だからいつもより、ハッキリと大きな声で接客しなければなりません。


自分は役者を目指していたころ、1年ほどお芝居のボイストレーニングに通っていました。10年以上も昔の話なのですが。

おかげで明瞭な声の出し方について、微々たる知識と技術を身につけているつもりです。教えを役者として生かす場面はありませんが、人間関係や業務では常に有効活用しています。

仕事中は相手に伝わるようにハキハキと声を出し、難しい言葉は置き換え、ニッコリとした表情で接する(最近だとマスクで表情が分からないため、身振り手振りも大きめにしてます)

しかし今までのやり方では足りない。もっと発声に集中しなければ。

特におじいちゃんおばあちゃんには届きにくく「えっ?」「何円?」の返しが増えてしまう。かといって単に大声を出せば怒鳴っているように聞こえる。ボリュームを上げて感じの良さを残すのは集中力が必要。

何十年も前に習ったことを思い出しながら、通る声での接客に努めます。

結果。いつもよりレジ業務が疲れる……お腹周りの筋肉が痛い……肉体の衰えを感じる……若い頃はこんなじゃなかったのに……。

ビニールカーテンが外れて、普通の声量で話せる日が戻ってきて欲しい。

頂戴したサポートは今後の創作活動の資金として使用させていただきます。 より楽しんでいただける文章や作品作りを目指しますので、どうぞこれからもよろしくお願い致します。