設計事務所のススメ
家族が増え住んでいる住居が手狭になってきた
子供が小学生に入るまでには持ち家が欲しいな
ローンの支払期間を考えるとそろそろだな
終の棲家が欲しい …etc
住宅の購入を考える時期や理由は様々だと思います。どんなタイミングであれ、新築・中古問わず先ずは設計事務所のドアを叩いてみるのが”はじめの一歩”だと思います。建築の専門家を賢く使って得しちゃいましょう。
うちは普通の家で良いんで…
作品展や住宅相談会などに来てくださった方に「お家を建てる計画があるのなら設計事務所に相談されるといいですよ」とお伝えすると、かなりの割合の方が「いやーうちはそんなんじゃなくて普通の家でいいから」と答えられます。普通ってどういうことでしょう。
奇抜?住みにくい?目立つ?
設計事務所に住宅の設計を依頼したからといって奇抜な建物になるわけではありません。住宅は使う人が限られているので、その家族が住みやすい唯一無二の建物がその形に収まったという事だと思います。私たちは、建主からどういう暮らしをしたいかを聞き出し、そのイメージを建築に落とし込む。するとおのずと形は出来上がっていくので、デザインから設計に入ることはありません。
でも、色々な考え方の建築家がいるのも確かなので、過去の作品を見て『いいな』と思えない事務所は、あなたの感性とは合わないと思った方がいいでしょう。
普通の間取りの普通の家で満足です
どんな小さな住宅でも(一部規格住宅以外)0から作ります。6畳の子供部屋セットを組み立てるわけではなく、柱1本ずつ建てて作っていくのです。それなのにアパートを大きくしたようなプランでリビングに階段を置き2階に個室(子供の数)+主寝室。確かにキレイで広くなるから不満はないかもしれません。しかし、同じお金をかけるなら生活が楽しくなるような家を建てたくないですか?家族の家なので、普通にこだわる必要はないのです。
設計事務所に依頼するような豪邸じゃないので
これも結構勘違いをされているのですが、住宅メーカーに頼もうと工務店に頼もうと、建物を建てる以上必ず設計はしています。社内に設計部があるのか、外注で設計事務所に頼むのかはそれそれだと思いますが、工事の見積の中で『設計料』と明細が出ていないだけで、必ず誰かが設計をして図面を描き、確認申請の手続きをしたり積算をしているのです。社員にお給料なのか外注費としてかはわかりませんが、皆さん知らず知らずのうちに設計料は払っているのです。
自分で設計事務所に頼んだ方がお得なワケ
設計を誰のためにするのか
先程書いたようにどうせ誰かが設計しているならそれでいいのでは?と思いますか?それは建主が損をしていることになります。設計をする人にとっての『クライアント』が工事をする側だからです。仕事として直接お金を払うのが会社なので、当然設計も顧客である施工会社の要望を聞くことになるのです。仕事として考えるとそうなりますよね。
設計事務所に設計を依頼すると
設計を今度は『クライアント』である建主のためにすることになります。住む家族のために一番いい家にしたい、喜んでもらいたい。直接お金を払うのも建主なので、当然私達も全力で頑張ります!
目的が一緒
住宅を建てる時に建主は『予算内でより良い理想的なわが家を手に入れたい』という事が目標だと思います。私たち建築家も同じ目標で設計・監理業務を遂行しています。とにかく建主に喜んでもらえる最高の住宅を提供したい。なぜなら一軒一軒が私たちの作品であり、宣伝にもなるからです。より良い住宅を設計して喜んでもらわなければ評価は上がりません。建築が好きだ、という本音もあります。
第三者に監理をしてもらえる
設計事務所に設計を依頼する時、設計と監理両方お願いしないと設計料がもったいないですよ。一番建主にとってメリットになるところが監理してもらえる部分だからです。
実際図面と同じかどうかは素人には判りませんし、そもそも工事中頻繁に現場へ行けないと思います。工事の進捗や色々な検査結果など随時連絡は来ると思いますが、説明されてもよくわからないのが本音でしょう。そこの専門的な部分をすべて任せておいて、何か現場に対して質問があっても設計事務所に聞けば色々教えてくれる。設計事務所は、建主の心強い味方になってくれるはずです。
工事中「屋根の色、この中から選んでください」「外壁どうしますか」「壁紙サンプルのここからここまでの中から決めて下さい」こういう事たくさんあります。そして、もちろん初めての事なのでどれが良いのかよくわからないんです。でも、失敗は許されないですよね。例えばうちのやり方だと、カラーコーディネーターの資格も持っている私が建物の内外全てトータルで色彩計画を立てます。サンプルもすべて用意して1回の打合せで建物全ての色や物を提案します。模型を使い分かりやすく説明します。その上で寝室の壁は一部この色を使いたい、などの希望をお聞きして、全体がおかしくならないように調整します。それにより出来上がってから「あれ?この色変じゃない?」という事態は避けられます。
では、まず何から始める?時期は?
はじめの一歩
まず、設計事務所にも色があるので作品や考え方、雰囲気等ウェブサイトで確認は必要だと思います。『地域名 設計事務所』で検索してみると思いのほかたくさんあることに驚くでしょう。住宅設計が得意なのか、公共建築の設計が多いのか、興味があればメールやメッセージで連絡を取ってみるといいです。住宅設計をメインで手掛けている設計事務所なら大抵は「一度事務所に遊びに来てください」と対応してくれるでしょう。ちなみに『たけのこ建築設計室』
も全国、いや世界中どこでも設計しますからお気軽に連絡ください。
時期
家を建てたい、買いたい(中古?改修?)予算は?土地は?もうこの段階で設計事務所探しスタートです。
なぜなら、リフォームで考えていたけど、専門家として要望や予算を聞くと新築の方が良さそう、とか逆のパターンも当然あります。土地探しや銀行の手続きもお手伝いできます。土地も広さ・日当たり・価格という目に見える所以外に着目すべきところがあるので、是非買う前に相談に来て欲しいです。
ちなみに、うちの事務所の場合ですけど、契約してから住み始めるまでスムーズにいって1年くらい掛かります。実際は施工時期をコントロールしたり、そもそも建築業界は慢性的な人手不足で、職人さんを確保するのが難しい状況が続いていますので、もう少し時間が掛かるでしょう。早すぎて困るというわけではないので早目に相談した方が良いです。
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