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データを活用した人事戦略を実現する(スタート編)

こんにちは。
今日は、私が「データを活用した人事戦略を実現したい!」と考え始めた時に出会った、書籍の1つをご紹介します。

書籍:ピープルアナリティクスの教科書
著者:一般社団法人ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会

1.簡単に要約すると・・・

①人事異動、研修、評価など、人事関連の仕事は、人間の「経験・勘」に基づいて行われていることが多い。
②データを活用した人事施策は、これまでの過去(経験・勘)を否定するものではなく、融合するもの。
③データはエビデンスであり、データから効果的な施策を行うには、経験と勘、数字から未来を予想する「センス」が不可欠。データだけでは意味がない。
④データ活用を始めると、担当者は「そんなことは、データを分析しなくてもわかっていた」と言うかもしれないが、経験・勘から推測された「仮説」がデータによって証明された証拠。「仮説」に「データ(エビデンス)」が加わり、確信を持って新たな施策を行うことができる。
⑤データ活用は、目的の明確化、必要データの洗い出し、データ収集、データ処理をして初めて分析が行える。準備に時間がかかる。
⑥データ活用は、手当たり次第行うのではなく、範囲や効果測定の指標などのストーリーを予め定めておく

詳しい内容を知りたい方は、是非書籍を手に取って頂ければと思いますが、人事業務が経験と勘、加えて「度胸」のKKD(KEIKEN・KAN・DOKYOU)によって成り立っているのは、どこの企業も同じではないでしょうか。そこに「データ」を加えたKKDD(KEIKEN・KAN・DOKYOU・DATA)こそ、私が考える人事戦略の理想だと思っています。

2.データ活用は人を納得させる道具

「すべての人が納得する人事制度はできない」

これは人事の師匠から頂いた言葉です。私は、この問いは一生解決できないと考えています。なぜなら、評価する人が「人」である以上、経験則や好き嫌い、評価の基準もバラバラなのはあたりまえで、評価者(人)をどれだけ教育しても、公平な評価はできないと思っています。

ではデータは何に活用できるのか?

データは、「人を納得させる」ための材料になります。

例えば、「人事評価制度」の例です。

A:「君は時間管理がなっていない。だから評価が良くないんだ。残業も多いだろう。ん?仕事を減らしてほしい?まずは時間管理を徹底しなさい。」

B:「君は毎月30時間も残業をしているね。ほら、進捗報告のデータを見た
けど、月初は余裕があるのに、月末に作業が集中しているよね。これは分散できる内容の仕事だし、これからは時間管理を見直してほしい」

極端な例ですが、AとBで自身の評価について説明を受けた時、どちらが納得度が高い評価なのかは分かりますよね。しかもBについては、「次にどうしたらいいか」をフィードバックしています。「人事評価」と聞くと「ネガティブ」な想像をする人も多いと思いますが、本来、人事評価制度は「人を裁くもの」ではなく、「人を成長させるもの」です。評価する人は「何を伝えれば、その人が成長するか」、評価される人は「次にどうすれば自分は成長できるか」を、KKDDでコミュニケーションする。人事評価制度におけるデータ活用は、一方的な評価ではなく、評価する人と評価される人の双方向の納得を生み出すことに繋がると考えています。

「なんでこんな頑張っているのに評価されないんだ」
「仕事の量や責任が部署によって差があるから、評価が不公平だよ」
「なんか評価が甘くなりがちだよね」

社内でこんな声が増えてきたら、人事評価制度の運用に、データ活用を検討してみるのがよいかもしれません。

3.データ活用の第一歩

今回は人事評価制度を切り取りましたが、人事異動、社員研修、チーム編成、採用活動など、データ活用の場は無数にあります。まずは1つの領域から、範囲を絞って実験的にやってみることが、忙しい人事担当でもできる、データを活用した人事戦略の第一歩だと思います。
まずは、「そんなことは、データを分析しなくてもわかっていた」と担当者に言われるデータを作ってみましょう。「いやいや、データ活用というのはですね、、、」と、この本を見せながら、折れずに説得しましょう。いつか、周囲の納得を得られる時がくると思います。

データを活用した人事戦略はまだまだこの先。

忙しい人事担当のみなさま、よければこちらの記事もご覧ください!

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