読書感想文「こころ」(夏目漱石)─なぜ先生は妻を一人残して死んでしまったのか?
なぜ「先生」は、最愛の妻を一人残して死んでしまったのか?
これは、僕が夏目漱石の小説「こころ」を読み終えたあと、ずっと心に引っかかっていた部分でした。
叔父による財産のちょろまかしをきっかけに人間嫌いになり、親友Kとの三角関係のもつれによって自分自身をも嫌いになった先生は、最後に自らの命を絶ってしまいました。
先生が自殺をした理由は、不可解ではありつつも、わからないこともありません。たぶん、先生にとって自殺とは「罪滅ぼし」だったのだと思います。
先生の両親が亡くなった