Vol.55 坂本良晶先生「小学校最強ライフハック」

 

 少し前に発売された本です。昨日から読み始めて、先ほど読み終わりました。これまで坂本先生が書かれた本は全て読んでいます。どの本もおもしろくて、坂本先生の考え方や行動の仕方を自分の中に取り入れようとしながら読んでいます。ただ、今回の本はこれまでの本とはまた違った読後感があります。もしかしたらそれは自分の立場が変わったからかもしれません。

 この本は、保護者向けに書かれています。なので、教育現場での見えない部分を見えるように書いてくださっています。日々子ども主体を目指して試行錯誤している過程ってなかなか保護者の方には伝わりにくいです。今の僕にとって「保護者の方とともに」というところが弱いです。この本を読み、丁寧にお伝えすること、そして一緒に子どもの成長を支えることの大切さをあらためて実感しました。

 ですが、「教師としての自分」を見つめ直すきっかけになったということ以上に、この本を読みながら「親としての自分」について考えていました。これからさらに成長し、人として大きくなっていく過程でどのような経験が大切なのか、さらに親としては、子どもたちの成長にどうかかわっていこうか、などあれこれ考えながら読んでいました。

 きっと、習い事をさせていたらいい子になる、とか、お金をかけていろいろなものを与えてあげたらいい、とか、そんなかかわりではいけないとは思っています。親として、親だからこそ、できることやしないといけないこと、しなくてもよいことをちゃんと考えながらかかわっていきたいなとおもいました。

 ですが、なによりもこの本の「おわりに」の言葉が僕の中にグッときています。

 本編ではいろいろな話をしてきましたが、「わが子との今を大切にする」という、とてもシンプルな答えにたどり着いてしまいました。それが何よりも、自分と愛するわが子との財産となると思うのです。

坂本良晶(2023),親子で知りたい小学校最強ライフハック70 P187

 子どもがうまれた日から生活が大きく変化しました。今では生活の中心が子どもです。自分は子どもの生活に合わせるように過ごしています。しんどいな、大変だなと思う時もありましたし、どうしたらいいのか不安になったこともあります。でも、一緒に遊んだり、僕を見つけてパパと呼んでくれることが嬉しくて、大変だなと思うこと以上に子どもたちからたくさんの素敵を受け取っています。

 自分の子どもとの“今”も、教師として自分の目の前にいる子どもとの“今”も大切にしたい、そう思えた一冊でした。

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