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お坊さんの話を聞くということ

2024年1月5日、真宗学寮オンライン講座の新春法話会に参加しました。講談師の弟、旭堂南雲とともにご縁いただき、8名の僧侶の法話をリレー形式で行いました。

真宗学寮ネット講座 新春法話会

改めて「法話って何だろう」と考えさせられる一日でした。
きっと多くの方にとっては、お葬式や法事のときに「お坊さんが何か話していたなあ」くらいの印象でしょう。実は僧侶(特に浄土真宗)にとって、法話はとても大切なもので、こうした研鑽を積む場が多くあります。
仏教の教えを正しく表現し、しかもご門徒さんの心に響くように、なるべく分かりやすく話す。伝統的な法話のスタイルもありながら、自分たちの個性をどのように加えていくのか。法話は奥が深い。
時には笑いも入れたいところですが、面白ければいいというものではないし、分かりやすくしたいけれども、分かりやすいだけでは本当に大切なことは伝わらない。

1度に8パターンの法話を聞くことはなかなかありません。それぞれが選んだテーマや語り口、その人のもつ雰囲気。正解があるわけではなく、それぞれのお味わいを語る。「味」のように、人によって感じ方や表現の仕方はいろいろで、個性の違いを楽しむことができました。

この日に改めて感じたのは、法話は「人」を通して伝わるということです。

情報は、ネットでも本でもなんでも得ることができます。しかし、法話となると、その人の温度がそこに加わります。論理的であることや、感情豊かに話すということだけではなく、その「人」からなんとなく伝わるものがあります。それまで勉強してこられたであろうその人の歴史、きっと人生にはいろいろな葛藤があったのだろうと語らずともにじみ出る奥深さがあります。

世の中でもっといろんな僧侶の法話がいろんな形で聞けるようになればいいなと、思いました。どの僧侶の法話がどのタイミングで響くのかは分かりません。人生のなかで、その瞬間に出会った僧侶や届いた教えが、今、その人にとって必要なご縁なのだろうと思います。

今年は正月から驚くようなニュースが続いています。この1月にこうしたご縁をいただき、自分はこの世の中で僧侶としてどんな法話をしたいのか、するべきなのか、改めて考えさせられています。

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