武田正文

浄土真宗本願寺派高善寺、臨床心理士、公認心理師。お坊さんユーチューバー【武田正文の仏心…

武田正文

浄土真宗本願寺派高善寺、臨床心理士、公認心理師。お坊さんユーチューバー【武田正文の仏心チャンネル】。ぜひチャンネル登録をして応援していただけると嬉しいです。 noteでは、オープンにしにくいような仏教と心理学の考察、YouTubeの裏話を発信します。

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【初心者向け】仏教の学び方

「仏教は難しい」 そう思っている人は少なくないでしょう。 そうなんです。 お坊さんであっても「仏教は難しい」と思っています。 ただ立場上、きちんと仏教を学びみなさんにいかに分かりやすくお伝えするかということをずっと悩みながら模索しています。 ここでは、これから仏教を学び始めるみなさんが少しでもいい流れで学習を進められるように参考になることを紹介します。 仏教をどんな方法で学ぶのか、 そして、 これが一番重要ですが、 仏教を学ぶときのマインドについて考察してみ

    • 「私はあなた」で「あなたは私」

      カウンセリングをしていると不思議な感覚になることがある。いや、この「感覚」も少しずつ変化しているような気がする。 心理学を学び始めた時は、いわゆるカウンセリングの理論と実践をなぞることに必死だった。「共感する」ということ自体が難しかった。もともと「話す」ことや「聞く」ことは得意だという認識でカウンセラーを志したものの、いざカウンセリングという行為をしてみると、それが普段の会話と大きく違うのだということがだんだんと分かってきた。 自分が得意だと思っていた「話す」ことというのは

      • 常識の枠外に出る時代とお坊さんの出家

        「お坊さんユーチューバー」として活動をしていると、変わった仕事をいただくことがある。 最近は「お坊さん向けSNS講座」とか「お坊さん向けYouTube講座」のお声がけが増えてきた。お寺への参詣者は減少しており、なにかしらの情報発信をしないとこれからマズイんじゃないかという雰囲気。 僕は最新の技術とかマーケティングとか大好きなので、各種プラットフォームで最新の情報をキャッチアップするようにしている。お坊さんだけど横文字がバンバン出てきても対応可です。 しかしながら、一般的な仏教

        • 変わることと変わらないこと

          お寺というのは基本的にはずーっと昔から同じことを続けています。それが効率的とか合理的とかは関係ない。先代がやってきたことを粛々とこなしていく。 僕自身は、新しいことや合理的なことが大好きなのでモヤることもある。20代のころは違和感を感じまくっていた。でも、最近ではこの粛々とこなすことの意味が分かるようになってきた。 1月15,16日は御正忌という親鸞聖人のご命日を縁とした法座が京都の西本願寺をはじめ全国のお寺で勤まります。うちの方では「御正忌荒れ」という言葉があって、毎年

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        【初心者向け】仏教の学び方

          地震、事故、火事、ついに来たのか末法の時代

          能登半島地震、羽田空港での事故、小倉の火事、その他にも2024年に入ってから立て続けに驚くようなことが起こった。 「時代がおかしいんじゃないか」という感覚は鎌倉時代にもあった。歴史は繰り返すということを考えると、今の時代を理解するために過去を振り返ってみることは役立つかもしれない。 そもそも、末法というのは仏教の教えが正しく伝わらなくなってしまう時代ということである。日本においては1052年(永承7年)からが末法になると考えられていた。二度にわたる元寇、内乱、地震、疫病、

          地震、事故、火事、ついに来たのか末法の時代

          おはようございます。毎朝、noteを開くことを習慣にすることを目標にした2024年です。 さて、来月はなんとモーリー・ロバートソンさんとお話しさせていただく機会があるのです。ぜひお参りください(^^)/

          おはようございます。毎朝、noteを開くことを習慣にすることを目標にした2024年です。 さて、来月はなんとモーリー・ロバートソンさんとお話しさせていただく機会があるのです。ぜひお参りください(^^)/

          お坊さんの話を聞くということ

          2024年1月5日、真宗学寮オンライン講座の新春法話会に参加しました。講談師の弟、旭堂南雲とともにご縁いただき、8名の僧侶の法話をリレー形式で行いました。 改めて「法話って何だろう」と考えさせられる一日でした。 きっと多くの方にとっては、お葬式や法事のときに「お坊さんが何か話していたなあ」くらいの印象でしょう。実は僧侶(特に浄土真宗)にとって、法話はとても大切なもので、こうした研鑽を積む場が多くあります。 仏教の教えを正しく表現し、しかもご門徒さんの心に響くように、なるべく

          お坊さんの話を聞くということ

          【仏教×心理学】これからの子育てについて思うこと

          僧侶で、臨床心理士をしていると「どんな子育てをしているの?」と聞かれることがあります。 年に何回か、保護者を対象とした講演や研修会があり、子育てについてとってもいい話をしているのです。とってもいい話をするということはブーメランになっていて、つまりは、「この武田という人はさぞかしいい子育てをしているに違いない」ということになるんですね。 困ったものです。お察しのとおり特に素晴らしいわけではなく、普通に子育てをしております。腹が立って怒るときもあります。子どもに言いたいことが伝わ

          【仏教×心理学】これからの子育てについて思うこと

          セルフコンパッションにおけるジャーナリングと、その先へ

          セルフコンパッションの情報を集めていたらジャーナリングなる方法を見つけた。 自分の考えていることをひたすらに書きだす。しかもそれを自分に対して肯定的に、ダメなところも穏やかに認めるように書いていく。脳のなかを吐き出すことで掃除し、しかもなるべく自分に優しい言葉をかける。 実はこれ、割と昔からやってる。昔はWordのファイル、今はnotion、ときどき開いてはバーッと書いている。たまーに見直すと、同じようなことをぐるぐる言っている自分に気づいたり、昔の自分を思い出すと知らない間

          セルフコンパッションにおけるジャーナリングと、その先へ

          「仏教×心理学」の2024年における現在地

          一年の計は元旦にありということで、1月1日の朝、さっそくにパソコンを開いてみました。noteを投稿するのは久しぶり。「書くこと」を習慣にしたいという思いは定期的にあるんだけど、ぐるぐるとやっては止まりやっては止まりの輪廻を繰り返しております。今年こそは「毎日、少しずつ書く」を達成すべく、元旦からキーボードをたたいている。偉いぞ自分。 2023年はコロナで止まっていた時間が急に動き出した。山奥のお寺から、全国各地に飛び出すご縁をいただいた。2月の若新雄純さんと築地本願寺にはじ

          「仏教×心理学」の2024年における現在地

          仏教とAIについて考えてみた

          もはや自分たちの思考の土台はAIが作ってくれて、人間はそのうえでどれだけ考察ができるかが勝負になった。noteでもAIが使えるようになったから、少しずつ試してみたい。 手始めにAIと仏教について聞いてみたのが上の文章。いいですね。思考の土台には十分なっています。もはやいうことがない。笑 上記を参考に自分の言葉に直すとしたら、 AIの倫理問題を仏教的に考察 知的な作業はAIに任せながら、人間の感情や体験の部分で仏教が担う。連携できる道はありそう。 AIの土台に仏教の概念

          仏教とAIについて考えてみた

          「行ったり来たり」が人生のコツ

          できれば要領よく生きたいものです。早寝早起きして、腹八分目、毎日ちょっとだけ勉強して、軽く運動をする。簡単なことです。これを続けるだけで、人生はすこぶる良くなるはずです。 頭では分かっています。たまには成功します。しかしながら、決意しては挫折してを繰り返すなかで、自分の決意の貧弱さに嫌気がさしてくる日々です。 自分なりにたどり着いた答えが「行ったり来たり」。今日はこのテーマで少し考えてみます。 読書できるときとできないとき最近、改めて読書が楽しくなっておりまして、今読んでい

          「行ったり来たり」が人生のコツ

          ずっと気になっていた仏教×哲学

          私にとって哲学は、「なんだかおもしろそうだけど、難しそう」というイメージで、これまでは遠目で眺めているだけでした。そんな私が気になり始めたのが、「哲学コンサルティング」なるものがはじまっていることを知ったからです。 哲学コンサルティングとはなんでも、GoogleやAppleなどの大企業が哲学者を重要なポストで雇用し始めているとのことです。高度に進んだ技術がこれからどこに向かうべきなのか、企業理念や倫理的な問題を考察し、課題に行き詰ったときにより深い問いで打開策を探っていくと

          ずっと気になっていた仏教×哲学

          実に難しい八正道【仏教と私の日常】

          僧侶として生きておりますので、僧侶らしくありたいと考えています。 お釈迦様や高僧がたの生きざまを、完ぺきにトレースするのは難しくても、少しだけでもそんな生き方ができたらいいなと思うのです。 仏教の生きる道:八正道正見、正思、正語、正業、正命、正精進、正念、正定 正しくものを見て、正しく考えて、正しい言動をする。実に当たり前なことです。規則正しい生活をして、目の前のことにしっかり取り組んで、締め切りは守って、お世話になった人にはこまめに御礼をお伝えして、地域に貢献できることを

          実に難しい八正道【仏教と私の日常】

          お彼岸法座が終わって一休み一休み

          令和4年の秋のお彼岸はお説教のご縁をたくさんいただき、ご法話を重ねて大変に勉強になる時間でした。うちの法座は23日に終わったので、「終わった終わった」とツイートしたら、まだ終わっていませんでした。 ちなみにこの本は、仏心チャンネルのイラストをお書きくださっているカワモトトモカさんがイラストを担当されています。まださらっと目を通しただけですが、非常に分かりやすい!! イラストと図解が満載で、今までしっくり来ていなかったようなニュアンスを理解することができました! これはもう

          お彼岸法座が終わって一休み一休み

          お説教のご縁を考える

          九州に来ています。島根県から約4時間。お説教のご縁をいただき、とことこ運転してきました。ちょっと早めについたので、ファミレスで時間をつぶしながら、お説教の準備をしています。(準備をする前にnoteでウォーミングアップという名の現実逃避) お説教というのは馴染みのない人も多いでしょうが、全国のお寺では「法座」と呼ばれる行事が年に数回あり、お経を読んで、僧侶の話をがっつりお聴聞します。どのくらいガッツリかというと、基本が40分×2回です。普通に大学の授業と同じくらいのボリューム

          お説教のご縁を考える