武田正文

浄土真宗本願寺派高善寺住職(島根県邑南町) 臨床心理士、公認心理師、広島大学客員講師。…

武田正文

浄土真宗本願寺派高善寺住職(島根県邑南町) 臨床心理士、公認心理師、広島大学客員講師。 YouTube【武田正文の仏心チャンネル】 Voicy【仏心ラジオ】 趣味:茶道裏千家、AI研究 書籍:10人のお坊さんに聴いてみた(講談社)、しなやかな自分のつくり方(金風舎)

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【初心者向け】仏教の学び方

「仏教は難しい」 そう思っている人は少なくないでしょう。 そうなんです。 お坊さんであっても「仏教は難しい」と思っています。 ただ立場上、きちんと仏教を学びみなさんにいかに分かりやすくお伝えするかということをずっと悩みながら模索しています。 ここでは、これから仏教を学び始めるみなさんが少しでもいい流れで学習を進められるように参考になることを紹介します。 仏教をどんな方法で学ぶのか、 そして、 これが一番重要ですが、 仏教を学ぶときのマインドについて考察してみ

    • 教え、教えられる関係

      お寺で寺子屋という学習塾をして10年くらいになります。 私の住む島根県邑南町は過疎少子化の進む地域で、町内に塾がありませんでした。もっと勉強したいという子も、苦手だから助けてほしいという子も、学校以外に勉強をすることができない。 そこで、ささやかながらお寺で勉強を教えようじゃないかと始めたのですが、気がつくとたくさんの子どもたちが来てくれるようになりました。 教えるという行為の不思議勉強はそこそこできました。でも、そこそこ程度ですので、そんなにめちゃくちゃ得意というほどでは

      • お経とプログラミングと哲学とAI、そして対話

        最近、出会いに恵まれてるなと思うことが多い。 こんな田舎のお寺に暮らしているわけですが、SNSがあったり、誰かが紹介してくれたりで、出会うはずもないようなトップランナーたちと次々とご縁を結ぶことができました。 誰かと出会うと自分の興味の幅が広がります。実はこの1年間はけっこう勉強しておりまして、スピリチュアルに興味を持ってから、物理学、歴史、哲学あたりが面白いなと思いながら、一周まわって、仏教(浄土真宗の七高僧、インド中国の歴史の流れ)にテンションがあがり、ここに来てプログ

        • 三日坊主のススメ(ほんとの僧侶が語る)

          三日坊主とは「何かをはじめても続かない人」のことを指します。 世間一般の僧侶に対するイメージは地道にコツコツと、何年も毎日、毎日、同じことを続けている、そんな感じではないでしょうか。 そんなわけありません。 いや、もちろん、そういう素敵なかっこいい僧侶はたくさんおられます。 ただ、残念ながら、僕はちょっとできない。 すぐ新しいことがしたくなります。 そして、すぐ飽きます。 よくないですね。三日坊主です。まさに。 近くで見ている人は心配だと思うのです。家族や友達はヒヤヒヤ

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        【初心者向け】仏教の学び方

          哲学の面白さがようやく分かるようになってきた

          哲学というのはなんとも不思議な言葉で、どこか魅力的で、深遠なものを感じる。けれども、それは難解であり、どうも自分には関係のないもののようにも感じる。 仏教と心理学を専門とする自分にとっては避けて通れない分野だと分かってはいたものの、まだ理解できないという気がして逃げ続けてきた。 最近、ひょんなことから、哲学を眺めるようになり、だんだんとその面白さが分かるようになってきた。 きっかけはAIを追いかけ、最新の科学をおいかけ、その先に哲学の姿が浮かび上がってきたこと。 そんなつ

          哲学の面白さがようやく分かるようになってきた

          AI時代の倫理観:僧侶×臨床心理士としての未来予測

          浄土真宗本願寺派高善寺(島根県邑南町)の住職で、臨床心理士、公認心理師をしております。YouTubeやVoicyを使いながら、これからの時代における仏教×心理学について考察しております。 2023年からにわかにAIが盛り上がり始め、私も時代についていくべく試行錯誤を続けています。 AIによって便利になるのは間違いないでしょう。時代の波に乗るためにAIの最新情報にキャッチアップしようという判断は正解だと思いますし、私もそうしたいと考えています。 一方で、見過ごさされがちな

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          AI時代の倫理観:僧侶×臨床心理士としての未来予測

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          「私はあなた」で「あなたは私」

          カウンセリングをしていると不思議な感覚になることがある。いや、この「感覚」も少しずつ変化しているような気がする。 心理学を学び始めた時は、いわゆるカウンセリングの理論と実践をなぞることに必死だった。「共感する」ということ自体が難しかった。もともと「話す」ことや「聞く」ことは得意だという認識でカウンセラーを志したものの、いざカウンセリングという行為をしてみると、それが普段の会話と大きく違うのだということがだんだんと分かってきた。 自分が得意だと思っていた「話す」ことというのは

          「私はあなた」で「あなたは私」

          常識の枠外に出る時代とお坊さんの出家

          「お坊さんユーチューバー」として活動をしていると、変わった仕事をいただくことがある。 最近は「お坊さん向けSNS講座」とか「お坊さん向けYouTube講座」のお声がけが増えてきた。お寺への参詣者は減少しており、なにかしらの情報発信をしないとこれからマズイんじゃないかという雰囲気。 僕は最新の技術とかマーケティングとか大好きなので、各種プラットフォームで最新の情報をキャッチアップするようにしている。お坊さんだけど横文字がバンバン出てきても対応可です。 しかしながら、一般的な仏教

          常識の枠外に出る時代とお坊さんの出家

          変わることと変わらないこと

          お寺というのは基本的にはずーっと昔から同じことを続けています。それが効率的とか合理的とかは関係ない。先代がやってきたことを粛々とこなしていく。 僕自身は、新しいことや合理的なことが大好きなのでモヤることもある。20代のころは違和感を感じまくっていた。でも、最近ではこの粛々とこなすことの意味が分かるようになってきた。 1月15,16日は御正忌という親鸞聖人のご命日を縁とした法座が京都の西本願寺をはじめ全国のお寺で勤まります。うちの方では「御正忌荒れ」という言葉があって、毎年

          変わることと変わらないこと

          地震、事故、火事、ついに来たのか末法の時代

          能登半島地震、羽田空港での事故、小倉の火事、その他にも2024年に入ってから立て続けに驚くようなことが起こった。 「時代がおかしいんじゃないか」という感覚は鎌倉時代にもあった。歴史は繰り返すということを考えると、今の時代を理解するために過去を振り返ってみることは役立つかもしれない。 そもそも、末法というのは仏教の教えが正しく伝わらなくなってしまう時代ということである。日本においては1052年(永承7年)からが末法になると考えられていた。二度にわたる元寇、内乱、地震、疫病、

          地震、事故、火事、ついに来たのか末法の時代

          おはようございます。毎朝、noteを開くことを習慣にすることを目標にした2024年です。 さて、来月はなんとモーリー・ロバートソンさんとお話しさせていただく機会があるのです。ぜひお参りください(^^)/

          おはようございます。毎朝、noteを開くことを習慣にすることを目標にした2024年です。 さて、来月はなんとモーリー・ロバートソンさんとお話しさせていただく機会があるのです。ぜひお参りください(^^)/

          お坊さんの話を聞くということ

          2024年1月5日、真宗学寮オンライン講座の新春法話会に参加しました。講談師の弟、旭堂南雲とともにご縁いただき、8名の僧侶の法話をリレー形式で行いました。 改めて「法話って何だろう」と考えさせられる一日でした。 きっと多くの方にとっては、お葬式や法事のときに「お坊さんが何か話していたなあ」くらいの印象でしょう。実は僧侶(特に浄土真宗)にとって、法話はとても大切なもので、こうした研鑽を積む場が多くあります。 仏教の教えを正しく表現し、しかもご門徒さんの心に響くように、なるべく

          お坊さんの話を聞くということ

          【仏教×心理学】これからの子育てについて思うこと

          僧侶で、臨床心理士をしていると「どんな子育てをしているの?」と聞かれることがあります。 年に何回か、保護者を対象とした講演や研修会があり、子育てについてとってもいい話をしているのです。とってもいい話をするということはブーメランになっていて、つまりは、「この武田という人はさぞかしいい子育てをしているに違いない」ということになるんですね。 困ったものです。お察しのとおり特に素晴らしいわけではなく、普通に子育てをしております。腹が立って怒るときもあります。子どもに言いたいことが伝わ

          【仏教×心理学】これからの子育てについて思うこと

          セルフコンパッションにおけるジャーナリングと、その先へ

          セルフコンパッションの情報を集めていたらジャーナリングなる方法を見つけた。 自分の考えていることをひたすらに書きだす。しかもそれを自分に対して肯定的に、ダメなところも穏やかに認めるように書いていく。脳のなかを吐き出すことで掃除し、しかもなるべく自分に優しい言葉をかける。 実はこれ、割と昔からやってる。昔はWordのファイル、今はnotion、ときどき開いてはバーッと書いている。たまーに見直すと、同じようなことをぐるぐる言っている自分に気づいたり、昔の自分を思い出すと知らない間

          セルフコンパッションにおけるジャーナリングと、その先へ

          「仏教×心理学」の2024年における現在地

          一年の計は元旦にありということで、1月1日の朝、さっそくにパソコンを開いてみました。noteを投稿するのは久しぶり。「書くこと」を習慣にしたいという思いは定期的にあるんだけど、ぐるぐるとやっては止まりやっては止まりの輪廻を繰り返しております。今年こそは「毎日、少しずつ書く」を達成すべく、元旦からキーボードをたたいている。偉いぞ自分。 2023年はコロナで止まっていた時間が急に動き出した。山奥のお寺から、全国各地に飛び出すご縁をいただいた。2月の若新雄純さんと築地本願寺にはじ

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          仏教とAIについて考えてみた

          もはや自分たちの思考の土台はAIが作ってくれて、人間はそのうえでどれだけ考察ができるかが勝負になった。noteでもAIが使えるようになったから、少しずつ試してみたい。 手始めにAIと仏教について聞いてみたのが上の文章。いいですね。思考の土台には十分なっています。もはやいうことがない。笑 上記を参考に自分の言葉に直すとしたら、 AIの倫理問題を仏教的に考察 知的な作業はAIに任せながら、人間の感情や体験の部分で仏教が担う。連携できる道はありそう。 AIの土台に仏教の概念

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