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みえているもの。

西の空に沈んでいく太陽を眺める
あの夕陽は、誰かにとっての昇りゆく朝陽だ
俺が西だと思ってる方角もたぶん東だ

ここで長い夜が明ける頃
しんどい夜に包まれていくヤツもいる
だからって
誰かと繋がっている気もしないが

誰かにとってのイイ人も
ほかの誰かにとっては殺したいほど憎い人だ
俺が信じてた事もたぶん嘘だ

絡みゆく関係性の中で
誰の事も信じられなくなるヤツもいる
だからって
救ってあげることなどできる気もしないが

絶望の一日も
希望の一日も
結局はたぶん同じだ

真夏の日差しの中で
冷たさを失いそうな
川の流れを見つめながら
壊れそうな夢を必死で抱えているヤツが
今日もあそこにいる
だからって
心配などする気もしないが

ただ
俺はずっと
橋の上から
眺めているだけ

あいつを
ずっと
見つめているだけ









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夏の思い出

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