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どこまでをA面にいれるか論争

かつてはⅭⅮをカセットテープに「ダビング」するという作業があった。

そこで問題になるのが、どの曲でB面に切り替えるかという事だ。        

全10曲のアルバムなら5曲目まで、全12曲なら6曲目まででB面に切り替えれば、テープ容量的にも、流れ的にも大体うまく収まる。

ところが、これが9曲や11曲となると、ちょっと迷う事がある。間違いなくここだ!と明確な場合もあるし、元々がⅭⅮではなくレコード盤があるなら、迷う事もない。

でも、ⅭⅮ発売でしかなく、アルバムの流れ的にも迷わざるを得ない場合が時々あったりする。


そこでECHOESである。僕の周りにはECHOES好きが意外と多かった。当時は「おぉ~!エコーズ聴いてるの?」なんて盛り上がったが、気の合う者同士が友達になると考えると、当然であり、必然だったのかも知れない。

ECHOESのアルバム『HURTS』は全13曲だ。6曲目が「Alone」7曲目が「Strange People」8曲目が「友情」と続いていく。

カセットテープのA面は6曲目までか、7曲目までなのか、友達とちょっとした論争になった。それぞれの主張はあった。どちらでもいいと言う者もいた。

確かにどうでもいいような(現在では起き得ない)話かもしれないが、当時の僕らとしてはセンスも問われる類の結構重要な問題だった。

もちろん結論は出ないし、そうこうしてるうちにカセットテープからMDに移行し、悩んだり、主張を戦わせたりする必要もなくなった。

今はさらに便利になり、棚に並べたCDをわざわざ出してこなくても音楽が聴けるようにもなった。


一度アルバム全曲を通して聴いてから、A面はここまでだなと確信してカセットテープに「ダビング」してた頃が懐かしい。思えば当時は歌詞カードなどに「〇分〇〇秒」と1曲ごとの収録時間が記載してあったが、今では見ない気がする。

便利で快適な時代になったが、自分で歩いて欲しいCDを探し回ったり、ダビングしたり、カセットケースの紙に曲名を書き込んだり、友達と論争したりしてた頃も、大切で楽しかったなと思ってしまう。

せめて、飲んだ時に「昔はこうだった・・・。」などと若者たちには話したりしないように気をつけよう。

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