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EIKO 石岡瑛子 展

EIKO 石岡瑛子

血が、汗が、涙がデザインできるか


東京都現代美術館
2020.11.14-2021.2.14

世界初の大規模な回顧展です。

資生堂、PARCO、角川文庫の広告や
、舞台衣装、映画美術も手がけている、石岡瑛子の仕事を一挙に観られる展覧会です。

私が気になったのは、石岡の衣装デザインの仕事です。
展覧会の後に映画『白雪姫と鏡の女王(吹替版)』を鑑賞しました。この映画が石岡の最後の衣装デザイン作品です。
展覧会では、白雪姫と女王、それぞれの結婚式シーンの衣装が展示されていて、映画ではわからなかった、小さなビーズなど細部の装飾まで堪能できました。

映画の最後、エンドロールの前に、「石岡瑛子氏に捧げる」と表記してあってなんだか果てしない気持ちでいっぱいになりました。あぁ、すごい愛のある映画でした…。

白雪姫のストーリーは、現代版にアレンジされていて、白雪姫も力を付けて一緒になって戦います。女性も男性と共に生きていく、そんな力強さを感じます。
石岡瑛子のエピソードで、石岡が資生堂に就職した際に「男性と対等の待遇を。」と言ったといいます。まさに、石岡の女性も強く生きるという、パッションと共鳴しています。
知恵があり力強く生きる女性像は、石岡と重なるところがある作品に思えました。

アートディレクターの仕事も校正の際の指示の出し方や、衣装ドローイングにおけるディテールの描きわけが的確で、素晴らしかったです。


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ポスターは、映画『ドラキュラ』の衣装ドローイング。フォルムや質感は、今までのドラキュラのイメージを覆すようなデザイン。とても幻想的です。衣装によって、映画の雰囲気や世界観が左右されてしまうのだなぁ、と衣装デザインの重要性を感じられました。

先日『ドラキュラ』を鑑賞しました。次は『落下の王国』を観る予定でいます。

この展覧会の企画、私の好きな現美の学芸員、藪前さんの展覧会だったので、びっくり。いやはや、めっちゃ嬉しい…。

現代美術館の石岡瑛子展、グラフィックデザイン、舞台衣装に興味のある方は、必見です。



MOTコレクションは、

コレクションを巻き戻すと題して、都美術館から引き継いだコレクションからはじまり、現美の歴史を順を追って、鑑賞できる展覧会です。

個人的に、武者小路実篤のコレクション一挙公開がレアです。範囲は小さいながら、普段はなかなか展示されないだろうなと。
バーナードリチが描いた実篤の肖像画なんかもあって、交流関係が垣間見えるのもいいですね。
白樺派がその時代の人々にどんな影響を与えあっていたのか、すこし興味がでてきました。

調布市武者小路実篤記念館には、大学卒業してすぐくらいに行ったことがあるんですけど。仙川から歩いた記憶が…。また行きたくなりました。


まだまだ知らないことが多すぎて…。
美術館巡りって、人が作った英知の世界をいつまでも旅している気分になります。

…あぁ、果てしない。

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