マガジン一覧

ゆるゆる図書室で暮らしてく

図書室・図書館で過ごした日々でふわふわ漂う思考の海をゆるゆる記す フィクション込

6 本

動いている図書室

この図書室は広いキャンパス内でも本館から少々離れた場所にある分室で所蔵量は本館遠く及ばないながら、図書室内の蔵書の約半数は洋書が占めている。 学部の名前からしても、外国の文化について学んでいる学生が多い。そのため、洋書の貸出・複写が多いのと同時に、和書に分類される外国語のテキストの貸出も多いのだ。 今年度、ドイツ語やフランス語の検定テキストが大量に新着図書といて受け入れがあった。学部に所属する教員の希望で購入希望があり、しかも非常に学生のことをよく考えてくれているためか、

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新着図書が本の森に埋もれていく

恩田陸さんの『図書館の海』という本が、私の読書歴の限りなく原点に近い。人生のターニングポイントだったと思う。このタイトルを一生忘れることはないと思う。 そんな思いを踏まえて、図書館にあるたくさんの蔵書たちを私は“海”よりもあえて“森”に例えたい。古い本から新しい本まで刊行年は関係なく分類別に配架されている書架には、しんとした静寂さとともに雑多性がある。秩序のなかでごちゃまぜになっているように感じる。 たくさんの本でできた森の中に、また新たに仲間入りした本が森の構成員といして

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いつもカウンターに座って図書室の中を眺めている

いつもカウンターに座って図書室の中を眺めている。 正面には「ATLAS WORLD」と表紙に書かれた大判の本が面出しで配架されている。大判の地図コーナー。 多くの学生の利用者は入館ゲートを通ると、まず右手側に図書館備え付けの PCとオンデマンドプリンターに向かう。 大学の教授はご自身が発注してこの図書室の蔵書となった新着本たちを目当てに来室する。「発注していた図書が配架されました」というメールが図書館担当者から届くと、忙しい中、いそいそと尋ねてくれる。 中国の歴史を研究して

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なんかいいかんじかもしれん【これは日記】

今年度はじまって早3ヶ月が過ぎ、、、 ゆるゆる図書室で働いているに変わりはないが 新しく始めたことも多々あるわけで なんかいいかんじかもしれん (トプ画は自宅デスクです) 図書館勤務ね まず一生懸命にメモをとってノートを持ち歩いて てんやわんやで必死に食らいついてた感がなくなった というかなくした そんな必要ないなって 最低限のことは頭に入れた それに自分のメモよりも体系的なマニュアルがカウンターにある まず当初はマニュアルのどこに何が書いてあるのか、とか マニ

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Thought✰つぶやき

ちょこちょこっとつぶやいたのをソートかけたくて

11 本

図書館勤務で心に浮かんだあれこれを 心から取り出して残しておきたい記憶を 文字に認めて浄化したい

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アーティゾン美術館の〈空間と作品〉展、行きたかった;;;;ついに行けなかった;; またの機会を。

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講談社から出た『赤毛のアン』を読んでいます。冒頭の三章を読んだところです。さすか名作中の名作、もうすでに世界観の虜です。美しい本。 読了後はシリーズ(おそらく新潮社文庫で)を少しずつ読んでいきたいと思っています。

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デートスリップっていいよね、この積み重なっていくかんじがさ~~~

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たまには

心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば

3 本

冬の朝と夏の夜のにおいが好き

一瞬ベランダに出るだけでぶわっと顔中を包まれたような感覚。 夏の夜のにおいってなんだかなつかしい。 雨上がりの空気感とはちょっと違う、湿気を含んだ空気観。 深夜のキャンプ場を思い出した。 冬の朝のにおいも大好き。 こちらは何を懐古するかは明確。 ゲレンデへ向かう朝。 早朝からの出勤。 そして中島美嘉の『雪の華』

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あなたは何を祈りますか

東野圭吾 『クスノキの番人』(再読) 『クスノキの女神』 を読んでいます あなたは何を祈りますか 私だったら何を祈るだろうか ひとつだけ、祈念を ふと死産した子を想った あの子が無事に産まれた未来を ただあの子が産まれた未来にはきっと今のお子ちゃんたちはいない そしておそらく夫婦関係も今とは若干異なっていたと思う あの子が無事に産まれた未来を望むことは 現在の生活を、夫婦関係を、お子ちゃんたちの存在を なかったものにしてしまうような気がして 私にとってはあの子の輝

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ずっと繋がって~~~

私の生まれた日は日曜日だった。夜の9時。 小さい頃からいつもまだ産まれてないと言われて面倒だった 就職してから親父から誕生日おめでとうってLINEがきてついでに、私が生まれた日は日曜日で勤務校の文化祭の日だったことをよく覚えていると教えてくれた。初耳。 先日、5歳の息子がiPhoneのカレンダーで自分の生まれた日を探していた。生まれた日だけではなく生まれた年の生まれた日。 その延長でさかのぼってさかのぼって、30年もさかのぼって私の生まれた年、生まれた日まできた。日曜日だっ

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わたしの随録

美術館・博物館、展示会巡りの記録をまとめたくなったとき。それらに付随して頭に浮かんだことを記録しています。

13 本

『舟を編む』講演会

以前、立川市が主催している講演会に参加しました。 司書資格を取得すべく勉強中で、自分の興味・関心のため、また提出するレポートのネタ集めのために周辺の公立図書館や指定管理者制度を取り入れている施設を訪れている時期に出会いました。 講習会の内容としては、ざっくり 映画『舟を編む』を上映 現役の辞書編集者の講談 という2本立てでした。 『舟を編む』三浦しをんの小説が大好きで、松田龍平主演の映画も大好きで、 現役の辞書編集者の方!!??と飛びつきました。 講習会は、立川市

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山種美術館 東山魁夷と日本の夏

まだ暑い土曜日の夕方【2024.9.7 (𝙎𝙖𝙩.)】の恵比寿・渋谷です これから賑わう夕方の渋谷から帰りたくなかった( ˙▿˙) 今夏絶対に行きたいと思っていた山種美術館に行ってきました なんと(?)noteアカウントもあります とても充実しています 【特別展】没後25年記念 東山魁夷と日本の夏 土曜日の午後にたどり着いたところ、入館するのになかなかの行列で驚きました!!予想以上の人気!!!! やはり美術館は朝一回に限る… 東山魁夷《満ち来る潮》1970(昭和45)

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中島敦『山月記』 ―日本近代文学館

高校国語の教科書に載っている 『羅生門』芥川龍之介 『こころ』夏目漱石 『山椒魚』井伏鱒二 『舞姫』森鴎外 そして『山月記』中島敦 (個人的にはさらに『檸檬』梶井基次郎も含めたいところ…) 大好きなんですよね〜〜〜 ここ数年、通信制高校で国語を教えることがあって、授業では『羅生門』くらいしか取り上げる機会がないのですけれども、教科書が常に手元にあるという小さな小さな優越感に浸りながら、ますます上記の作品に愛着ができてしまっているこの頃です。 昨年度までの学習指導要領と教科

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漱石山房記念館 初版本コレクション

何度か訪れている漱石山房記念館 たびたび夏目漱石 終焉の地へ またまた私のド好みなテーマ展示をッッ!!! ということで平日 秋葉原へ出勤後に最寄り駅 早稲田へ 【2024.9.5 (木)】 入ってすぐのエリアに夏目漱石について黒猫が紹介してくれる動画や、漱石の一生の概略をパネル展示しています ここスペースだけでも十分見応えがあって、時間がいくらあっても足りないくらいなんですよね 早稲田駅から10分ほど歩くので着く頃には汗だくで、動画(20分くらい)をゆっくり涼みながらの

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わたしの読書memo ‎𐰶‎𐰶‎𐰶 ブクログ

ブクログに載せてる感想たちの一部、長くなったものとか残しておきたいもの

6 本

平野啓一郎 3作品を読んで

平野啓一郎さんの3作品を読みました 『マチネの終わりに』2016年4月(2019年6月文庫化) 『ある男』2018年9月(2021年9月文庫化) 『本心』2021年5月(2023年12月文庫化) もともと『マチネの終わりに』は映画化のタイミングで読んでおりましたが、最近 高校国語の論理国語の教科書の文章の中で、平野啓一郎さんの「分人」という考え方について触れられていたことをきっかけに、有名どころ3作を読み(返し)ました それぞれブクログに感想を書いていますが、やはりなんだ

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イギリス文学の壮大さを知った衝撃

2000年に新装版として出た岩波少年文庫のナルニア国ものがたりのシリーズを読んでいます シリーズ全7巻です 1冊読むのに大して時間はかかりません 児童文学であるからか岩波の素晴らしい所業なのか 語り口がやわらかいのでふわふわした気持ちで読みます ただずっと読み続けるには正直退屈に感じることも否めませんので、私の場合は他の本と同時進行で読んでいます。 ナルニア1作読んで、他の本なにかしら5冊読んで、、くらいのペースでちまちま気長に読んでいます いよいよ最終巻『さいごの戦い

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『自由は死せず』

この小説がずっしり面白くて面白くて、、、 これだから “史実を基にしたフィクションです” の一文に虜である 表紙のカバーイラストが素敵すぎて胸をうたれました。まるでこの時点で「自由は死せず」を心から叫んでいるような背中。 若き日の板垣退助、乾猪之助。 ジョン万次郎、と後藤象二郎、、、 山内容堂、吉田東洋、、 そして勤王党の武市半平太、、、 勤王党の武市半平太の動きには『龍馬伝』を思い出したなぁ、、、『龍馬伝』では板垣退助いなかったけども 板垣退助を追ううちにあの大

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九段理江教へ

芥川賞受賞をきっかけに興味をもっておりまして 二作読みましたので以下感想つらつら 『School girl』 これ直訳『女生徒』ということでよいのでしょうか 太宰治の『女生徒』のごとく、朝目が覚めたところからその日寝るまでの内面を描く。 これは九段理江さんとしての太宰治『女生徒』の解釈は、一人の女性の内面だけでないということなのかなと。 魔女宅のキキにある考察にあるような、母と娘のどちらも“女生徒”なのではないだろうか。 “みんなを愛したい” からの “美しく生きたい

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