スイス旅行に行ってきた⑤ ツェルマット編
「スイス旅行に行ってきた④ トゥーン・ツェルマット編」の続きです。
前回のあらすじ。
トゥーン湖のほとりの街、トゥーンへと来た我々は、そのあまりに素敵な中世の街並みに圧倒され、観覧車ではしゃぎ、水門サーファーに驚く。
その余韻に浸ったまま最後の滞在地ツェルマットへと着き、チーズフォンデュとマッターホルンに深く感動したのであった。
6日目 ツェルマット マッターホルン・グレッシャー・パラダイス
朝起きると晴れていたのですが、あっという間に村は雨に。
一度はこのまま近場で過ごす、ということを考えましたが、とりあえず出発。
目指すはマッターホルン・グレッシャー・パラダイス。標高3817m。ヨーロッパ最高地点の展望台。約40分ほどの旅。しかしふもとのツェルマットは雨。
雨の中歩き、チケット売り場へ。売り場の人に話を訊くと「今日は外の展望台が開かないと思うので、行くなら明日の方がいいかも」というような感じのお話が(すごい必死で聞きました。合っているかは知りません)。
すごく悩みました。あきらめてツェルマットぶらぶらに切り替えるか。雲は一面に広がったままで、雨は止む気配がない。この先も落ち着くかどうかもわからない現状。
我々の諦めは悪い──。
とりあえず登ることを決意。高い標高で雲を抜けるという可能性を考えて。グリンデルワルトでもまったく同じ状況がありましたしね。明日は明日で行きたい場所もありましたし。
勢いよく、力強く、チケットを買ってロープウェーへと乗り込みました。雨が強く降る中、心を強く持つ。
雲を抜けました。青空が見えていました。
見事です、見事ですよ妻ちゃんの晴れ力。とにかく登っていくと雨は止み、村からは遠くに見えていたマッターホルンが角度を変えつつ大きくなっていきました。
やってきましたヨーロッパ最高地点の展望台、標高3817mのマッターホルン・グレッシャー・パラダイス。
しかし写真の通り完全にガスっていて、風も強く、やっぱり展望台は開いていませんでした。
中にカフェがあったので、じっと天候回復を待っていましたが、残念ながら回復もせず展望台も開かないままでした。
標高3817m。僕の経験したことのある最高標高は富士山の3776mなので、これまででも一番高いところなんですけど、やっぱり周りが見えないとなかなか実感しませんね。空の青さの、より深い濃さを楽しみたかったのですけど。
この展望台も大きくはないのですが、ユングフラウヨッホみたいに色々施設があります。ツェルマット、この周辺の山々の紹介をしている映像を流し続けているシアターや、氷河の中を削って作った氷河宮殿など。
いやあぜひ晴れた日に来てみたかった。また今度というところですね。
スイス、来てみるとまた来たくなるから恐ろしいところです。
グレッシャー・パラダイスから一駅下りて、トロッケナー・シュテークを少しだけ歩きました。ここは草花もなく、ただずっと岩肌とザレ場が続いています。
あまり天候の具合もよくないので、ここからハイキングもせず、またロープウェーへと乗り込みます。そして次の駅へと。
シュヴァルツゼーへとやって来ました。ここは天候もまだ比較的落ち着いていたので、周囲の山々を見ることができました。
実はですね、ここに着いたあたりからかなり疲労感がありまして。そこそこへとへとな感じでした。とにかく毎日遅くまで暴れまわった疲れがさすがに出てきたみたいで。
というわけで、このあたりの写真があまり撮れていないというのが残念ポイント。また来なければ。
天候もあまり良くないので、ここで下山、ツェルマットに戻ることにしました。
戻ったツェルマットでは、マッターホルン博物館へ。ツェルマットの今昔の暮らしや、アルプスの山々についてなどの展示がありましたが、一番印象にあるのはマッターホルン初登頂のパーティの悲劇の展示でした。
マッターホルン初登頂のパーティはイギリス人と地元ガイドの合わせて七人のパーティで初登頂を成し遂げたのですが、全員ザイルでつながっての下山時に、一人が滑落し、それに巻き込まれて三人も滑落してしまい、計四人が亡くなってしまったのです。
残りの助かった三人は、滑落した四人の後ろにいたのですが、ザイルが切れたために巻き込まれずに助かりました。そしてこの博物館では、実際その時の切断されたザイルも展示されています。そしてその七人のそれぞれのプロフィールもあり、遺品もありました。
生き残った三人は「ザイルをわざと切断したのではないか?」という疑惑をかけられ、のちの人生でもずっと苦しんでいたらしいです。展示されていたザイルは、どのように切れたのか、その切断面もちゃんと見ることができます。機会があればぜひ見てください。
ユングフラウヨッホでも思いましたが、山は本当に厳しいところで、こうしてロープウェーや鉄道で登れてしまうのは、人類の自然との闘いを強く感じます。
人間が自然に闘いを挑むなんて、おこがましいという考えもあるでしょうが、僕はこういう挑戦する姿勢に憧れを感じてしまいます。
もちろん人間と自然、それぞれうまく調和を取っていくのも大切だとも考えてはいますが。
で、このくらいから本当にへとへと具合が限界になってきたので、僕一人だけ先にホテルに戻り少し休みました。少し寝るとやや回復したのですが、外で食べる元気もなく、妻ちゃんが買ってきてくれたピザを食べたのでした。
ありがとう妻ちゃん。
結構体力には自信あったのですけど、今となって思えば、時差のせいもあって眠れているけれども、浅い眠りばかりで回復していなかったのかもしれません。あと純粋に毎日遊びまわっていたのもあると思いますが。
そんな夜は妻ちゃんに心配かけて申し訳ない気持ちを抱きつつ、いつもより早く寝たのでした。
というわけでキリもいいので、このあたりで今回の記事を終わりにします。
次回、ツェルマット編、なんともきれいなゴルナーグラートへと向かいます。めちゃくちゃいいところだったので、次回お楽しみに。では。
(2023.11.07更新しました)「スイス旅行に行ってきた⑥ツェルマット編」
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