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半減期

想いは半減期で変化していく。どれだけ時間が経っても、薄まるばかりで0になることはない。忘れることはあっても、永久に消えることもない。

何かの拍子に膨れ上がった気持ちは、心の大部分を支配するようになる。その想いが別の気持ちになるまで時間もかかる。

半減期は人によっても違うし、想いの種類によっても違う。早いこと想いの原子を分解したくても、そううまくいかないことも多い。

放射性同位体における本来の半減期と同じ、安定している想いは半減期も長く、不安定な場合は短い。徐々に崩壊するまではただ待つほかの方法はない。

反対?に、好きなものを変わらずにずっと好きでい続けられることも、たぶんない。短いスパンで「好き」を更新しているからこそ、変わらずに好きでいられている感覚になっているんだとおもう。

毎日その想いを更新することもあれば、グラフが急上昇することもある。ポジティブな気持ちならいいけど、そうじゃない場合は厄介。

一見感覚でしか測れないようなものでも、意外と法則に則っていることはある。こうやって何かを感じるたびにどうにか当てはめていったら、果たして善く生きられるようになるんだろうか。

とにかく人の心は面倒だし、思い通りにはいかない。腹立たしいけど、愛おしいものの象徴。

何年も時間が経って日常生活で思い出すことがなくなった気持ちも、飲み干したグラスの底みたいにうっすらと心の底に水を張ってるのかな。それは、嫌だなぁと思ったり、悪くないなぁと思ったりもするね。

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