受賞者

技術は進化し...これからのデザイナーはもう1つ上の段階へ


先日、LEXUS DESIGN AWARD 2019のPRで、過去の受賞者として東京造形大学と慶應義塾大学(SFC)で、登壇させていただきました。

LEXUS DESIGN AWARD関連の記事は、有料ですがプレゼンテーションの紹介や「直感プレゼン」と題して、国際コンペでも勝てる紙面デザインの紹介をしています。


今年のLEXUS DESIGN AWARDは未来を見据えて、デザイナーに求めることが変わってきていると感じています。

それを一番感じたのが今年は「テーマがなくなったこと」です。

僕がパネル受賞した時は「YET(二律創生)」というテーマが与えられ、そのテーマに沿った作品が選ばれていましたし、毎年「今の時代を表すようなテーマ」が設定されていました。昨年は「CO-(共)」でした。

しかし今年からテーマを設けず、デザイナー自ら「問題」を社会や自分自身から炙り出して欲しいというLEXUS側の意図があるようでした。


そしてLEXUS DESIGN AWARDには世界で活躍する方々がメンターとして存在し、受賞者の作品を受賞者とディスカッションしながらブラッシュアップしてくれるのですが、今年からメンターの選定(職能)にも変化がありました。

今まではメンターの職能が意識されてきたという印象ではなく、ジャンル別に選ばれている印象でした。

しかし今年から「リサーチ」「テクノロジー」「デザイン」「マーケティング」など、受賞作品が「世界の市場で展開する」ことを視野に入れたメンタリングが行われるという、今までにないメンターの選定となっています。


その他にも、メンター1人につき1人の受賞者がメンタリングを受けるという方法から、メンター4人で6人の受賞者を「ワークショップ形式」でメンタリングするという手法に変わるなど、アワード自体が大きく変化しています。


この変化は、アワードの成長を考えてのことだとは思いますが、LEXUSという世界的ブランドが見据える「未来」が影響しているのではないかと考えています。


僕が受賞した年の懇親会の席で、あるLEXUSの関係者の方が「LEXUSは7年後を見据えて事業を考えている」とおっしゃられていました。僕の感覚では、LEXUSほど大きな企業が「7年」というスパンでビジネス展開をしていることに驚きを感じました。

それだけ未来を見据えてながらも、ブランドとして成功をおさめています。


そんなLEXUSが開催するデザインコンペ。昨年はスペキュラティブデザインが大賞を受賞し大きな話題ともなりました。

社会問題を解決するためのワークショップの報告とワークショップから生み出されたプロダクトがミラノデザインウィークLEXUS会場で展示されたそうです。


技術はどんどん進化している


今まさにTHE GUILDの深津 貴之さんのツイッターからAdobeが開発した技術の情報が流れています。

例えば


技術はどんどん進化し、誰でもデザインに関われる時代に突入しつつあります。

デザイナーが一般化する時代も近いのかもしれません。


そんな時代をLEXUSも予見しているのではないか。


だから、技術やテーマに頼らず「自分で問題を探し出し解決する能力」がこれからのデザイナーに求められる当たり前の職能なのかもしれません。


ただ言われたことをやるのではなく、求められる形のデザインを生み出すだけでもなく、自分で問題定義し解決する。そしてその時に多様で可能性豊かな技術を使う時代なのだと思います。


世界は日々刻々と変化しています。

これからを生き抜くための手段や思考方法を考える時期が来ています。


竹鼻良文/TAKEHANAKE代表

TAKEHANAKE design studio HP

TAKEHANAKE BRAND


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