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インクとケント氏 番外編

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ボクのFacebookやmixiは閉じすぎている。そんなときにnoteに思いついたり思い出したことを書いています。
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#小説

父の地

「おとうさんはどこでうまれたの?」
父に何度も問うたことがある。
生まれ育ったという土地を地図で指し示してもらったのだが、そこは日本ではなかった。
留学していたの?と聞いても違うという。

海を隔てた半島の付け根にあるその地が、自分が生まれる19年前まで日本だったなんてことを小学生の自分には理解しようもなかったし、中学生や高校生になっても知識としては頭に入っても、なぜ異国に日本人として生まれ育った

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お題:できるだけ文中の「の」を減らすとしたらどう書き換える?「私の家の兄の部屋の机の一番上の右側の引き出しの中の日記を読んで」

できるだけ文中の「の」を減らすとしたらどう書き換える?「私の家の兄の部屋の机の一番上の右側の引き出しの中の日記を読んで」

面白い問いかけだと思いました。
小説ではこのような短い文で表すことは、殆どありません。だって物語には描写や演出というものがあって、さらに物語があります。

ホラーだったらもっと怖いかもしれないし、青春小説だったらもっとドキドキするかもしれないからです。

以下ボクなりの一例。

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事件のカチューシャ

事件のカチューシャ

さて…ずっと書けなかったことを書きます。

自分が事件の当事者であることが分かったのです。

まず結論から書いておきますが『怪ほどき屋』は、初稿が出た段階ですでに改変が加えられておりましたが、執拗に直した結果自分たちの文章として出版されました。
ですから自信を持って「読んでください」と言いますし、遠慮なく楽しんで下さい。

改変された初稿は、ボクたちに届くと同時に帯文をお願いする予定だった津原泰水

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