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ミュージカル『マリーゴールド』を観た話。



❁†はじめに†❁


おはようございます。

昨年、興味があって『LILIUM-リリウム 新約少女純潔歌劇-』を観劇。
今回『はじめての繭期』ということで、過去上演された『TRUMPシリーズ』を映画館で鑑賞できる機会に恵まれまして。
『COCOON 星ひとつ編』『マリーゴールド』2本拝見。


まとめての投稿予定でしたが、スマホ閲覧者の方々を考慮しまして、作品別で分けて投稿することとなりました。
お待たせして申し訳ございません。よろしくお願いいたします。


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❁†あらすじ†❁


女には2つの"顔"があった。

ひとつは伝説の吸血種『ダリ・デリコ』の名を借りて活動する女流作家の”顔”。
もうひとつ、父親も不明なバケモノダンピールを生んだ母親――アナベルの”顔”。

アナベルは実娘を『絶望マリーゴールド』が覆う屋敷に閉じ込め、ただ一つの愛を注いだ。世界の誰にも愛されることなく、限りなく死に近い忌子に『希望ガーベラ』と名付けて。

アナベルガーベラ
アナベルの妹エリカ
ガーベラの主治医ヘンダール
アナベルの担当編集者コリウス

秘密と不均衡を抱えながらも慎ましく生きる。
屋敷の世界が彼らの全てだった。

作家『ダリ・デリコ』のファン、ソフィとウルが訪ねてくるまでは――。

やがて『LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇-』に繋がる物語。
愛憎の深淵にあったものは、『本当の愛』――だったのだろうか。



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❁†感想†❁


どうあがいても『メリーバットエンド』な物語ではあるけれど。
(大事な事なので)

昨年、興味があって観劇した『LILIUM-リリウム 新約少女純潔歌劇-』がまず根底としてありまして。その際『マリーゴールド』というポジション――彼女の持つ『執着心』が『異質』に映ったのが興味を持った切欠。
※ただの気狂いの子ではないなと。



過酷なほどに泥沼の母娘の物語を想像していました。
アナベルがひたすらガーベラを依存させる毒親路線を走る物語かと。

物語を見終えた際、見ようによればアナベルは『毒親』かもしれない。
『周りに愛されなくても、ただ一つの愛があればいい』という考え。
ただ『自分の子供がガーベラと同じ境遇だったら』ということを考えた時、おそらくアナベルと同じ愛を注ぐ可能性は高いと思います。
そうせざるを得ない。『母』であるからこそ『愛』に狂わなければいけなかったのだろうなと。アナベル自身は最期まで『高潔さ』と『愛』を貫いた女でした。(そうであってほしい…。)(おのれソフィ…!)
※業務連絡:私へ。COCCONの方で説明するように。

それを言うと、母娘の敵役で登場するベンジャミン※もアナベルと同じ立ち位置なんだろうなと思ってしまったり。
※自分の子どもをダンピールに殺されてるのでダンピールを弾圧したい、という警官。

娘のガーベラは、その母の愛に答え続けた『忠実で純粋な子』だったのではないかと感じています。『LILIUM』の主人公・リリーに固執するのも、母の『言葉』を信じたから故の行動なのではないかと。
(そこからのエクストリーム子離れ…)(おのれソフィ…!!)
純粋が故に見えない大人の『狡猾さ』が見えて噛みついてしまう。
まさに『繭期』。
ガーベラが最後に全てを受け入れて『マリーゴールドの花言葉』を語ろうとするシーンは本当に鳥肌。

あと細かい事を言えば、『シルベチカ』の名が出た時は静かに盛り上がって…崩れ落ちました。紫蘭&竜胆コンビ出てきた時は顔が綻んだよね。
前日に『COCOON 星ひとつ編』を鑑賞しているので、"ウル"の存在に虚無感を覚えました。魔法がとけた後の花言葉よ。やめてよ、って(苦笑)
あと、手を伸ばすシーン(…ありましたよね?)。やめてよ。(崩落)
『COCOON』を観た後にとにかく明るいソフィ&ウルは可愛らしくて嬉しい反面、不気味さはあって。不本意に手に入れた“永遠”は、誰も幸せにしないんだろうなと。


"Longing" "You’re a flame in my heart."


最後に。
今回『LILIUM』『COCOON』で『TRUMPシリーズ』に触れましたが、『マリーゴールド』に関しては、『LILIUM』で感じた『悲壮感』は感じなかったです。ガーベラが『マリーゴールド』として歩まなければいけない世界でも、彼女の仄かな覚悟が『希望』として明るく見えました。

『メリー(…?)バットエンド』ではあるけれど。(大事な事なので)

エリカがガーベラに嫉妬したことも、コリウスの二律背反な恋心もヘンダールが責任から逃げて安全圏から見守ってた事も、『善悪』で割り切れるものではないと思ってます。普通に人が抱える『矛盾』。
ただ、私怨であれ常識であれ『誰かを消せば万事解決する』という考えが個人を越えて集団となった時の悍ましさ、は現実・非現実問わず痛ましい。


少しガタついたまま、世界は均衡を保っていくのだろう。
各々が持つ『愛の正しさ』の暴走が穏やかに回る日常の歯車の”狂った部分”を露にするのだろうと。

ミュージカル『マリーゴールド』。
愛に狂い、愛に救われる物語。

ここまで見て頂きありがとうございます。
良き1日をお過ごしください🌼


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❁†用語解説†❁


◎TRUMPシリーズ:末満健一氏が手掛けるオリジナル作品シリーズ。
『不死』を失った吸血鬼と人間、混血のダンピールにまつわる物語。
◎ダンピール:吸血種と人間の混血。人間と吸血種の間で交わされている『条約』により『矛盾した存在』として双方から忌み嫌われている。短命。
◎繭期:人間でいう『思春期』。人間のそれより行動・精神状態が苛烈になる。ダンピールは繭期を越えられない者が多い。


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❁†関連サイト†❁





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