理科のできる子はあたまがいい?!

頭の良い子や成績が良い子、要領の良い子の共通点は理科好きである―。エデュパークが開く理科実験教室で長年、指導に携わってきた私の持論です。論理的思考力の高い、いわゆる「地頭(じあたま)」のいい子を育てるヒントが、理科学習には詰まっています。
 理科学習の基本は実験や観察です。授業や教科書で知識を教わる受け身の姿勢ではなく、自らの体験や経験をきっかけに学習を始められるのが特長です。
 低学年では「水の色が変わった」「電気が流れるものと流れないものがある」といった身の回りにある科学的な変化・現象を楽しむ機会が重要です。もっと知りたいという知的好奇心が一層強くなり、より広い分野へ関心が向くでしょう。
 中学年には「なぜ? どのように?」と、現象の理由や仕組みを考えるよう促します。疑問を持つ楽しさや、変化や現象には必ず理由があることの面白さに気付き始める頃です。
 次第に、未知の出来事に対し、予想や仮説を立てられるようになります。「もし~なら、どうなるか」「~と思う。なぜなら~だからだ」と思考を深めるうち、頭の中でバラバラだった知識が結び付いていきます。その結果、一つの知識を応用し、さまざまなことを芋づる式に理解する力を身に付けられるのです。
 「考えることは楽しい」「答えは自分で導き出すものだ」と、学ぶことの本来の面白さに気付くことができればしめたもの。高学年になるまでに、ここまで到達しておけば、後は自学自習できる子に育ちます。
 自ら学ぶ力を備えた子どもの姿は前のめり! 実験教室にいる高学年は、実に生き生きと研究に取り組んでいます。テーマを自分で決め、実験や分析を展開。想定した結果にたどり着いても、「じゃあ、こうしたらどうかな」と発想を次々と広げていきます。
 今後、社会で求められるのは「物知り」ではありません。自ら課題を見つけ、解決策を探ることのできる人材です。知的好奇心を持ち、筋立てて粘り強く考える―。そんな習慣が子どもの将来を切り開くのです。

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