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印刷の調色(調肉)その2

また間が空いてしまった(涙
では、前回よりマニアックな内容で…

カラー印刷と特色の違いは前回説明したので、気になる人はそちらを確認してください。

ではでは、本題に
でも、皆さん興味あるのかなこんな話(汗

・印刷工程で最も個人の技術差が出る作業

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前回も言いましたが、調色(調肉)作業は、本当に職人のセンス!!です。
在職時に、色見本として岩塩が持ち込まれたことがありました。(怒
岩塩て淡いピンク色で濃淡の差がありました。
クライアントからは、「この岩塩の感じの色」って指示!
もちろん職人としてのプライドもあったので、「できません!」とは言いません!岩塩自体の透き通るような淡いピンクの部分と白みを帯びたピンクを再現すべくメジウムベースと白ベースと少し不透明にした3パターンを作成しました。

あっ!メジウムの説明をしとかないと…
メジウムってインキは、絵の具で例えると「水」ペンキで例えると「薄め液」
色の濃度を淡くするために使用する透明のインキです。使い方は様々で、インキの濃度を下げるために使用する場合や、メタル紙に使用すると、光沢が少し減るため光沢差で絵柄がいい感じに浮かび上がります。また、マットメジウムてのもあってメジウムよりツヤが消え、紙との光沢差で絵柄を表現したりもします。

岩塩の調色の話に戻りましょう

3パターン作ったって言いましたよね
1)メジウムベースで作った色
  印刷用紙の色味も考慮し少し紅味を強くし印刷インキの膜厚で濃くなるようなインキを作成! インキ膜厚を増やすとインキの光沢が出て少し艶のある色味に
2)白ベースで作った色
  当然不透明なので、紙地を気にする必要はありません!
また、白インキはつや消し効果もあるので光沢が抑えられ色味が強調されます
3)少し不透明に作った色
  ご想像の通り、メジウム+白でセミマットな仕上がりに!勿論これが本命!

こちらの思惑通り、3)の色に決まりました!
調色するときは見せ方も大事で、わざと極端な振り幅で見せることもありました。クライアントのイメージをどこまで現場で翻訳できるか、また、落とし所をこちらから誘導するか、駆け引きが大変やり甲斐がありました!

このように、調色する職人のセンスで仕上がりが左右されます。
印刷所によっては、岩塩のイメージを色チップに置き換えて1色だけ見せる場合もあります。
調色作業の時は、当然1回では色味は合いません!
調色作業の過程で色調確認を必ず行います。その途中の色を生かすか殺すかは調色作業を行ってる職人次第です。

色見本を提出するのは、職人の気分次第です!(職人を敵に回すかも(汗。)

これを回避するには、
提携先の印刷所とコミュニケーションが取れているかが重要です。
納得いくものを作るためには、選択しは3つ!
  1)バカなふりして聞く!
  2)諦める!
  3)私に依頼する!(全国何処でも行くよ!交通費はいただきますが…)

カラー印刷に特色をプラスするだけでも、特別感が得られますので予算と相談してチャレンジしてください。

次回は、刷版についてで!

では、この辺で…



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