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ウェルビーイングは北極星みたいに目指すけど辿り着けない存在

『ウェルビーイングをどのようにKGIとかKPIとして設定するべきか?』

この半年くらい良く聞かれる質問の1つです。質問する気持ちは、めちゃくちゃよくわかります。

テクノロジーでWell-beingに貢献する!!という目標を掲げて以来、私もよく悩みます。

技術者として考えると、どれくらい貢献したかを定量化したくなりますし、その数値をどうやったら上げられるのか?どれくらいまで上げられるのか?というのは気になってしまいます。

コントロールしようとすると、数値化したくなりますし、逆に数値化しなければ、コントロールもしにくい。

もちろん、数値するための手法はたくさん研究されていますし、現にギャロップ社などWell-beingに関する多くの統計的な数値も発表されています。詳しいことは書きませんが、興味ある方は下記書籍などをご覧ください。

測ると何が起きるのか?

この数値化の手法自体が、欧米型とも言われており、日本的なウェルビーイングの測り方についても議論がなされたりもしています。

また、デジタル庁というか政府の目玉政策でもあるデジタル田園都市構想の中では、都市のKPIとしてウェルビーイングに関連する指標が設定されるという話もある。


測ること自体には意味があるし、特に国単位とか街単位で定点観測することは大事だと思う。一方で、前述したように国とか文化とか価値観によっても値は変動するので、他との比較とかはあまり意識し過ぎない方が良いのではないか。

まして、値自体をKPIとしてしまうと、その値を達成することが目的となってしまい、どうやったら効率的にウェルビーイングを達成できるのか、1ポイント点数を上げられるのかというようなことに焦点が当たってしまうのは、違和感がある。

更にそれを個人まで分解して、各人をウェルビーイングの値を〇〇ポイントまで上げるみたいな使い方をすると、指標の作り方次第では、上がりやすい人と上がりにくい人が出る中で、生き方が画一化される、もしくはウェルビーイング度を上げることがストレスになるというようなことが起きてしまう気もする。

学術的な根拠はないですが、これまで取り組んできた中の感覚としては、KPIにする場合には、例えば収入とか仕事の充実度とか近所付き合いとかウェルビーイングに関してもう一つか二つレイヤーを下げた構成要素にする方が良い。それでも個人ごとにするのは危険な場合も大いにある。

では、ウェルビーイングとはどういう存在なのか?

ここまであまりウェルビーイングをKGIとなKPIのような存在に設定しないほうが良いのではという話を書いてきた。

では、どのような存在なんだろうか?

冒頭の質問をされたときに、よく答えているのは

北極星のような存在として考えるのが良いのではないでしょうか?

というものです。

定量化して進めていくのは、例えていうとGPSで精度良く自分の位置を理解しながら、ウェルビーイングという目的地に向かっていくイメージです。KPIは途中途中の通過すべきポイントに設定されて、目的地となるKGIも明確に定まっています。

ただし、通過すべきポイントは人によっても国によっても違うし、色々な行き方(ある意味では生き方)が許容されるべきであるし、誰が最初に目的地に着いたというようなタイムレースでもないし、そもそも目的地は一ヶ所なのか?というような問題があるのではないかという指摘がこれまでに書いてきたようなことです。

一方で、北極星というのは、もちろん昔の人の航海において、緯度や経度を算出するために使われていたと思いますが、『こっちが北ですよ〜』ということで、目印として進むべき方向を考えていたのではないかと思います。
※技術史的にどのように使われていたかをきっちりは調べていません。イメージです。

ウェルビーイングというのは、北極星のようにこのざっくりとした進むべき方向性を指し示す存在であり、またそれであって決して到達できる存在でもない、という位置付けで良いのではないでしょうか。

ということで、KPI化することを必ずしも否定するわけではないのですが、気をつけるべきポイントもあるし、自分たちの活動、商品はざっくりとウェルビーイングに向かって貢献しているのかを考えるくらいでも良いのかもしれないなぁという話を書きました。

では、また来週〜
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安藤健(@takecando)

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