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Withコロナ時代にどんなロボットが活用されるか。

ロボットに関して沢山ご質問頂いてます。連絡頂いている方々、ありがとうございます。Withコロナが終わり、Afterコロナと呼ばれる時代になったときに、ロボットは今より活用されているのは間違いないと思っています。ただし、Afterコロナ時代にどんな文脈でどんなロボットが使われるのか?については、社会的距離の考え方、グローバル・ローカル経済の実態などによって、様々な可能性があると思っています。今回はもう少し近い未来であるAgainst コロナが落ち着き、With コロナ時代におけるロボット活用について考えを纏めておきます。

これまでもAgainstコロナという今の時代に使われるロボットとして、2月中旬に書いた『武漢でのロボット活用状況』など何件か記事を書かせて頂きました。

現在活用が進んでいる消毒、搬送、監視など多くの場合は、ソーシャルディスタンスを保つための「非接触」という価値が主なロボットの価値として考えられています。
※ロボットの非接触の価値は以下で纏めましたので、もしよければご覧ください。

非接触という価値はロボットが元々持っていた価値です。例えば、原発で活躍するロボットは、まさに非接触、遠隔ということが求められるものでした。そのような極限環境という身近とは言えない現場で発揮されてきた価値が、コロナにより急速に近づいてきたというのが現時点だと思います。

では、その他のロボットの価値は、コロナによりどのように変化するのか?With コロナ時代に「非接触」以外の価値を有するロボットはどのようになっていくのでしょうか?

このNoteを始めたときに、ロボットができることとして、省人化・効率化により生産性を向上させるための「自動化」自分がやりたいこと・ありたい状態でいることによるQoL(生活の質)向上ための「自己拡張」という想いを紹介しましたので、ここではその2つについて特に考えてみたいと思います。

自動化 with コロナ

もちろん非接触とするために自動化するという場合があります。無人搬送などが当てはまります。その観点では圧倒的に数は伸びていくでしょう。一昨日に発表された日経産業新聞などの調査でもわかるように、LightStrikeという消毒ロボットで10倍、Starshipという屋外配達ロボットで3倍などロボット関連ベンチャーは各社数倍から数10倍というオーダーで販売が伸びているようです。

ただし、非接触という観点以外でも自動化のロボットの需要は伸びるのではないかと思っています。そもそもコロナの前は、ロボット導入の最大のモティベーションは「人手不足」だったはずです。この人手不足はそうそう簡単にはなくならないのではないでしょうか?もちろん、コロナによる経済活動低下や倒産などによる求職者の増加ということも起こるかもしれませんが、それでもたぶん人手は足りないと思います(ちゃんとした計算はできていませんが)。

これまでは人手不足に対して、解決するのは「ロボット」か「移民」かという議論もありました。日本はなかなか移民を受入れるという判断をしないという文化的な側面もあったかもしれません。それでもこれまでは多くの現場を海外から来て頂いた人に支えて頂いていたというのが現状です。10年前に比べると、海外からの労働者は2倍以上増え、50人に1人とも言われるほどです。サービス、宿泊、飲食業、製造、物流などは本当に多くの海外からの働き手に支えられています

先日歩いていたときにたまたま通りかかった工事現場の5カ国語で書かれた看板はそれを表していました。

Withコロナの時代、移動に制限が掛っている時代においては、このような人たちの移動、国内への新規の流入というのは、確実に減少します。特に、遅れてコロナが広がっている中国・欧米以外の人々で日本に来て頂けることが可能な人との数は減ってしまうでしょう。

このような中、やはり自動化のためのロボットは、非接触ニーズも相まって、確実かつ急速に広がっていくのではないでしょうか?特に、小売や物流などの非接触により先んじてロボット導入が始まった領域は、ロボットに対する抵抗感、若干のサービス低下に対する拒否感なども低く、複数種類のロボットが入っていく可能性があると思っています。

自己拡張 with コロナ

では、自己拡張の方はどうでしょうか?自分のなりたい状態になるための技術として自己拡張を考えていますが、こちらも非接触というニーズはありそうです。代表的なモノはリハビリロボット、生活支援ロボットという類いのロボットでしょう。人が密集した状態で訓練をするというシチュエーションは少なくなりそうですが、他の人の力を頼らずに、自分の力を活かしながら、少しサポートするロボットというニーズは増えていくのではないかと思います。

また、精神的な面での自己拡張という点も確実に伸びてくると思っています。人と人との物理的な距離が遠くなる中で、どのように人と人のより良い関係性を作っていくか、孤独を感じないように心を拡張させられるか。また、逆に在宅になったことで常にインターネットに繋がった状態、デジタルにより効率化が求められるようになることで、余白やムダがなくなった状態になりがちですが、そのような状態から解放し、心を豊かな状態にする必要性も高まっていくのではないでしょうか。先日発表したTOUという「ゆらぎかべ」もそんな想いで作ったプロダクトです。


With コロナの時代には「非接触」というロボット活用はもちろん続くと思いますが、それに加えてBeforeコロナの時代からあった「自動化」「自己拡張」という文脈もコロナの影響により加速化されるのではないでしょうか。

では、また来週。

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安藤 健/ロボット開発者
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