デザイン部門トップから問われた日本らしさのあるロボットとは。
自己拡張技術によりWell-beingな暮らしを目指すというミッションで立ち上げた「Aug Lab」でのインタビュー企画。今回はパナソニックのデザイン部門トップの臼井重雄さんに色々と伺いました。
Aug Labインタビュー企画とは?
「Augmentation for Well-being~何気ない日常をより豊かに」ということをキャッチフレーズとして掲げている「Aug Lab」ですが、まだまだ「Augmentation」も「Well-being」を自社だけでは捉えきれない、ということで社内外の有識者に色々とインタビューしてみるということをしてみます。前回はWell-being研究者の石川善樹さんにWell-beingについて色々と伺いました。(前編/後編)
今回は社内の有識者ということで、パナソニックのデザイン部門を率いる臼井重雄さんにお話を伺いました。臼井さん自身はデザイン部門の本拠地を京都に移すなど社内改革をアグレッシブに進めている方です。
インタビューの内容は是非以下からご覧ください。
前半は「Augmentation」という活動についてデザインの目線で感じることや、「Augmentation」を通してどのような「Well-being」を生み出すことができるのか、これまで求められていたデザインと、今後求められるデザインとの違いなどについて語って頂き、後半ではパナソニックだからできる「Augmentation」の特徴や「Aug Lab」に期待することについて本音でお話し頂きました。
インタビューで問われた「日本らしさ」
インタビューの中で、「『おもろい』の大事さや強さ」などいくつも面白い指摘があったのですが、一番インパクトを受けたのは、今回のAug Labで「日本らしさを取り入れたい」「日本らしいロボットを作りたい」という趣旨の話をされていたことでした。中国に長いこといた臼井さんらしい視点かもしれません。
ロボット業界に入って15年くらい経ちましたが、正直「日本らしい」ロボットというのは考えたことがありませんでした。
「ロボット大国」と言われる日本の「日本らしさ」とは何なのか?
アトム、ガンダムと脈々と受け継がれてきたロボットアニメから来るロボットへの親和性の高さを背景としたヒューマノイドロボット、世界一の高齢化率という人口動態からくるロボットへの強い社会的要望を背景とした介護ロボット、などなど色々と考えてみましたが、どれもしっくり来ません。
この問いに対して、臼井さんは以下のように言っています。
たとえば、フィジカルな部分でいうと、パワーやスピードではなく、キレやしなやかさ、所作の美しさを取り入れたいですし、ソフトという表現なら、粋やわびさびを入れたい。これってすごく大事なものだと思っています。いかにスピーディーに、いかにパワフルにではなく、すごくしなやかなのにキレがあるものにしたい。
(中略)
「ロボットなのに、こんなにしなやかに動くの?」「ロボットなのにこんな粋なことをしてくれるの」となれば、みんなの概念は変わります。その方向に拡張していくのはとても面白いことだと感じています。
しなやかなロボット
臼井さんの言う、しなやかなロボット、粋なロボット、というのが、どんなロボットなのか、どうやって実現するのか。まだよくわかりません。
今、流行りのソフトロボティクスとはまたちょっと違うような気がします。
単純に柔らかい、適応的というだけでなく、「美しい」ということ。
美しい機構、美しい制御、粋な動き。
決してアートという意味ではなく、
実用として美しく、しなやかで、粋なロボット。
まだまだロボット屋のやることは沢山ありそうです。
そして、臼井さんはこうも言ってました。
『おもろいこと、やろう!』
頑張ります、Aug Lab!!
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