マガジンのカバー画像

住宅産業論ノート

43
住宅産業やハウスメーカー、プレハブ住宅に関する過去・現在・未来を通して、これからの住まいを考える試みです。
運営しているクリエイター

記事一覧

大げさにいえば戦後住宅のふる里|「滋賀の家展」を読む

滋賀県立美術館の開館40周年記念企画展「滋賀の家展」がスタートしました。会期は2024年7月13…

ぼくは王子様になったようだ|1960年代、プレハブ勉強部屋という「お城」

ヤフヲクで入手した古雑誌をつれづれなるままにペラペラめくっていたら「永大の勉強部屋」(永…

『マイホームの文化史(仮)』目次(暫定版)|庶民の夢100年のあゆみ

あけましておめでとうございます。 2023年前半は人生初の単著刊行に向け、原稿を書いて書いて…

「レゴの日」なので同社の歩みから住宅商品化の歴史を妄想する

5月5日は「こどもの日」であると同時に「レゴの日」でもあるのだそう。ちなみに、レゴ創業者オ…

読み直す勤労|大藪春彦『唇に微笑 心に拳銃』とプレハブ住宅営業の時代

日本におけるハードボイルド小説の第一人者・大藪春彦(1935-1996)の長編小説『唇に微笑 心に拳…

家を買う時代がはじまった頃|1965年「プレハブ住宅は得か損か」を読む

『週刊朝日』1965年10月22日号に「プレハブ住宅は得か損か」と題した記事が掲載されています。…

「こだわりの提案」と「安心でお手軽」の両立|WEB住宅提案の最前線

「理想のデザイナーズハウスを叶える」という新しい住宅商品サービスが、4月29日に発売されました。その商品名は「Cleverly D'ees」。販売元は全国160店舗を超えるフランチャイズを展開する注文住宅ブランド「クレバリーホーム」です。 WEBシミュレーションを介してライフスタイルに関する質問に答えると、希望に沿った3つのデザインが提示される。しかも、そのデザインは3人の建築家が設計したもの。一体どんな内容なのでしょうか。そして、「建築家による設計」と「簡単な質問に答える

即席ラーメンとプレハブ住宅|すぐ/どこでも食べられる/建てられる

インスタントラーメンとかインスタントコーヒー、インスタントカメラといった表現はよく聞きま…

ハウスメーカー住宅ができる世界の仕組みと意味|住宅産業論【ダイジェスト】

まさかの遠隔授業でのスタートとなって、昨年度までのパワポやら配布資料やらを大幅に再編集す…

いま、わたしはそれを見た|アフリカ・タンガニーカのセキスイハウス体験

京都大学アフリカ学術調査隊のメンバーとして、タンガニイカ湖畔に建設された「カボゴ基地」に…

フリーサイズからホームコアへ|住宅産業界の異端児・ミサワホームの1960年代

1960年代。戦後の深刻な住宅難が依然と続くなか、この頃になると大和ハウス工業や積水化学工業…

緊急事態宣言下の住まいづくり|オンライン相談、セミオーダー、WEB住宅展示場

新型コロナウイルス感染症の急速な感染拡大を受けた緊急事態宣言。「不要不急の外出自粛」が要…

原始の(プレハブ)小屋|ミゼットハウスにはじまる勉強部屋ブーム

5年ほど前からでしょうか、小屋ブームという言葉が聞かれるようになりました。いま一度、暮ら…

セキスイハウスF型|1965年、プレハブ住宅は高級化路線に舵を切った

いまではすっかり高級路線あたりまえになったプレハブ住宅。もともとの理念は高品質・低価格でした。でも、1960年代前半に続々と登場したプレハブ住宅に庶民が突き付けた評価は「安普請で画一的」。 マイナスイメージの克服へ向け、あれこれ努力した結果が「むしろ木造住宅より高いプレハブ住宅」。そして、それを象徴する商品が「セキスイハウスF型」です(図1)。 図1 セキスイハウスF型 そんな「セキスイハウスF型」について、そして販売された1960年代を少しばかり振り返ってみたいと思い