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📒ぼくは自由だ

ぼくが、どこで生まれたのかは、わからない。
でも、気がついたときには、もうここにいた。
別に、ここが気に入らないわけじゃないけど、
ときどき開く、あのドアの向こう側が気になっている。

ここは、外敵におそわれることのない安住の地だ。
お腹が空いたらえさをくれるし、
好きなときに眠っていても、誰にも襲われない。
かごが汚れたら掃除もしてくれる。
病気になっても、病院に連れて行ってくれる。

ときどき、羽を広げて、鳴いてみせることが、
ここでやらなければならない唯一のことだ。

ぼくは、そのドアから飛び出したことがある。
別に、ここが嫌になったんじゃないけど、
知らない世界を知りたくなっただけなんだ。

それでも、羽をどのように使って飛ぶかも
知らないから、パタパタ羽ばたいただけで、
ポトンと落ちてしまって、結局ここに戻された。

だから、ぼくは、かごの外のことは何も知らない。
「外の世界」と言われている場所は、
落ちた時に触れた冷たい床だけだ。
もしかすると、「外」という言葉自体わかっていないかもしれない。

ぼくは、居心地のいいこの場所が好きだ。
羽を広げて、鳴くことを嫌がらなければ、
ぼくは、自由だ。


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