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【第3回】組織にUXを広める!ファシリテーター育成講座 セミナーレビュー

イベント詳細:https://uxdt.connpass.com/event/111504/
参加日:2019年1月22日
参加の狙い:UXを社内に広めるに際しての障害、社内の抵抗、心理的ハードルなどへの対策のヒントが得られるのではないかという期待

UX DAYS TOKYO 主催のセミナーに参加するのは2,3回目だったと思う。正直に言おう、過去の印象はあまり良くない。確かUXの導入的な回と、なにか書籍を出版された際のイベントに出た覚えがあるが、いずれも内容的に薄くかなり初心者向けの内容で、1年間「Web制作者むけのUX講座」を履修した自分にとっては物足りなかった。
さらに言えばUX,UXといいつつほぼ「UI」の話に終止した印象があったり、参加者の質問・指摘に対しての回答が的を射ていなかったりとこれまでの満足度は高くない。
今回はUXに対する中身の話よりも「組織にUXの考えを広める」ためのノウハウ的な内容を期待して、すこし悪い予感を持ちながらも参加してみた。

悪い予感はあたるもので……
開催日をちょうど一週間後に控えたその日、まさかのメールが主催者から届き、その内容に目を疑った。
「他の講座とバッティングしてしまったため開催日を変更したい」
いやいやいやいや、ないだろ。仮にも何年もの間数多くのセミナーを開催している団体が他の講座とダブルブッキングって、危機感の低さも甚だしい。よっぽどキャンセルしようかと思ったが、以前電子書籍の受取時にトラブルがありその対応もあまり気持ちの良いものではなかったためやり取りするのも面倒で、なんとか調整できたので参加することとした。
とはいえ、ないわぁ〜。

気を取り直して内容について
講義の中身はというと「UXを広めるファシリーテーター育成」というタイトルからワークショップにおけるファシリテーションについて言及されることを期待していたんだけれども、ほぼほぼ「話し方」のノウハウに終止していた。
例えば「ピークエンドの法則」。いわゆる後に行った方の印象が残りやすいねという話。
「美味しかったよ、でもしょっぱかったね」というと嫌な感じだが、「しょっぱかったけど、美味しかったよ」といえば美味しかった印象のほうが相手に伝わりやすい。

うん、まあわかる。そうだけど、それUXどこいった?

あとは「心理的リアクタンス」のはなし。
「宿題やったの」っていうと「いまやろうと思ってたんだよ!」となって反発してしまうが、「宿題の調子どう?」と問いかける方が素直に聞いてもらえるという心理の話。

うん、まあこれもそうだと思う。そうなんだけど、組織に広めるというよりは話している内容をどう相手に伝えると伝わりやすいか、内容を受け入れてもらいやすいかというノウハウの範疇からやっぱりでてない。

そんな話だったら「伝え方が9割」でも読んどいてくれって話だよなぁと思ってたら紹介された書籍が「とっさの会話力」という本で、その後は書籍の内容を粗い画像で掲載しながら説明するというなかなかどうして社内の勉強会ですかってレベルのスライドでこれで「ファシリテーター育成講座」と冠するのはどうかと思う。

詰めの甘いプレゼントスマホでのスライド
総じてプレゼンテーターとして準備があまいんですよね。自分で用意しておいたスライドの内容を「次なんだっけな」とか口にしちゃうとかだめでしょ。しかもこの方、前々からスマホを使ってのスライド説明をされていて、それ自体を否定はしないんだけれど、画面が小さくて内容が手元で読めてなかったり、動画がうまく再生できなかったりと不備が多い。日頃ナレッジコモンズCSS Niteエンタミナレベルのプレゼンに慣れ親しんでいる立場としては見ててイタくなってしまった。
また、一応ワークもあるんだけれどワークの設計が投げっぱなしなところが多くて参加者任せなところが大きい。どういう作業をすればいいか参加者が戸惑ってしまいすぐに作業に移せない。結果、狙い通りの気づきを導けないワークになっているところがあっただろう。どうにも粗い印象は拭えない。

結論、もう行かないな
ということで何度か様子見で参加してみたけれど、この団体主催のセミナーにはもう行かないな。今回は参加者同士のつながりで良い方と繋がれたのがかろうじて救いだった。まぁよっぽどのUX初心者なら行ってみればなんとなく入り口はわかるかもしれないけれど、参加者のUXデザインがなっていないことに気がついていない以上UXの勉強にはならないでしょというおそまつな結論でございました。

おまけ
良いプレゼンの例として紹介された寅さんが鉛筆を売るくだり。これもまぁ使い古された内容ではあるけれど、寅さんはやっぱりすごいので紹介しておきます。