「働きがい」沈没
社員が組織や仕事に愛着や働きがいを感じて、主体的に業務に取り組んでいるかを示す指標を
エンゲージメント
と呼んでいます。
企業と富むときも病める時もともにする気持ちを表明した婚約決心度合いってとこでしょうか?
今AIやロボットなどハイテクで生産効率を上げる一方で、このエンゲージメントに力を入れる企業が増えているそうです。
なぜならいかにAIやハイテクを導入しても結局操作するのは人なので、その人のやる気が上がらないと宝の持ち腐れになる可能性も大きいからです。
しかし、調査会社の結果は、エンゲージメントの下落が止まらないそうです。
それはまさに
日本企業に迫る危機
なのです。
今日はそんな「働く人のやる気」にフォーカスして
*人財こそカイシャの宝
*働きがいの低下が止まらない
*熱意を持つ社員の割会は低い
とみていきながら
企業価値に結びつかない張りぼてのスコアになっていないか?企業は熟慮が必要
と数値化するだけでなく、本質の問題に踏み込まないと日本沈没が起きてしまうことを実感していきたいと思います。
*人財こそカイシャの宝
日本で働くのは大変だ!というイメージがありますね。
サービス残業やパワハラなんかもよくニュースに取り上げられています。
確かにそういうブラック企業もあるのでしょうが、実際には総じて働く環境は大きく改善されてきています。
1人当たりの労働時間は2020年に16年比で100時間減ったり、産休や育休も制度が充実して、働きやすい環境つくりが進んでいると言えそうです。
そうすることで、やる気を持ってもらい。社員のポテンシャルを引き出すことは企業の長期成長に直結すると考えられているからです。
「人材活用力」の偏差値が65以上の高評価企業を調べたところ、直近10年間でソニーグループの時価総額は12.7倍、純利益は20倍に拡大しています。
ダイキン工業も同9.9倍、5.2倍に拡大するなど飛躍的に業績が伸びているのです。
実は試算で人件費を1割増やすと、5年後のPBR(株価純資産倍率)が13.8%上昇すると計算されています。
又、女性管理職比率を1割引き上げると7年後のPBRが2.4%上昇するとも言われているのです。
産業革命以降、世界経済成長をけん引したのは工場などモノへの投資でした。
デジタル社会の進展で多くの設備投資がされてきたのです。
しかし、今は企業はヒトへの投資を企業価値の向上に生かすサイクルを求められているのです。
*働きがいの低下が止まらない
社員の生の声を反映して、信用評価会社のクレジット・プライシング・コーポレーション(CPC)は日本最大級の社員クチコミサイト「オープンワーク」の情報を基に、日本企業全体の「働きやすさ」と「働きがい」を定量化しました
上述の通り働きやすさは改善傾向で、テレワークやワーケーションなど働く場所や時間の自由度を高める「働き方改革」はコロナ感染拡大以降加速しています。
課題は「働きがい」なんです。
CPCによると同スコアは低下2012年5月を100とすると22年5月は88.5へ沈没しています。
同類の概念で社員の熱意や会社への貢献意欲などを示す「エンゲージメント」に関する調査とも符合します。
海外のコンサルティング会社からは
「日本企業の上意下達の組織風土は自発的努力を抑圧し、エンゲージメントの壁になる」
と指摘されています。
働きがいが重要なのは上述の通り、企業業績と相関性があるからです。
働きがいと働きやすさ両方の改善は1年後の株式超過リターンに結びつきます。
そして、予想外の問題が起きてもやる気のある社員であれば、上司の指示待ちではなくその場で少しでも解決に向かうように考え行動してくれるので、変化の多い今の時代にとても貴重な存在になります。
Open work サイト
*熱意を持つ社員の割会は低い
米ギャラップが実施しているグローバル職場環境調査(21年実施)では、
熱意ある社員の比率が日本は5%と主要国で最低クラス
でした。
そこに問題意識を強く持つ日本企業は、既に動き始めています。
総合商社の双日は、社員発の事業アイデアを審査しプロジェクト実現につなげる取り組みを19年度から手掛けています。
経営上の重要指標、「チャレンジ指数」は、新分野に関する目標についての達成度を上司が評価した社員の比率を評価しているのです。
SUBARUやセブン&アイ・ホールディングスのように役員報酬に従業員エンゲージメントを加味する企業も増えていますね。
しかし、そうして見える化した数値ですが
企業価値に結びつかない張りぼてのスコアになっていないか?企業は熟慮が必要
との指摘もあります。
新規分野の開拓や資本効率の向上など、企業戦略に応じて社員が持つべき要素も変わるはずだからです
ちゃんと個人にフォーカスして無形の「やる気」という直ぐには成果に結びつかなそうなものをじっくり育てるという「忍耐」が成功のポイントではないか?と思います。
フィリピンの情報サイトを運営しています。
幅広く情報発信しています。ご覧くださいませ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?