4月に触れた作品の感想

【アニメ】
『マギアレコード』
4月の上旬、リツイートでたまたま回ってきた情報に「まどマギの外伝アニメがバッドエンド過ぎて鬱になる」的な趣旨のものがあって、それをきっかけに視聴。個人的にいいところと同じくらいわるいところがあって、後者から説明すると、まずとにかくキャラクターが多すぎる。毎話必ず出るキャラクターが少なくて、忘れたころに数話前のキャラが出てきたり、かと思ったら初めてのキャラが出てきたり、なんかもうてんてこまいで、一定レベルの顔面を超えると同じに見えてしまうレベルで相貌失認気味(これ実はかなりガチで、アイドルグループのメンバーなんかは覚える気がないとかじゃなくて本当に見分けられない)の僕には少し厳しかった。あと設定も、初めて聞く内容のことを、サクシード並みの申し訳解説で済ませてくるので、途中で調べることは必須。その過程で運悪くネタバレ情報を踏んでしまう可能性があることも考えると、これは結構なマイナス点になる。あとマミさんの扱いが雑。逆にいい点は、最終話のエンディングが素晴らしいこと(アニメとか映画って、最終話のエンディングがよかったら何でも許せる気になりません?)、あとは評判通り、ある程度バッドエンドだったこと。SNSではあまりの救いのなさに発狂する人をしばしば見たのだが、そこまでではなく、比較的心穏やかに、終盤に登場人物たちがお亡くなりになるシーンを見られた(こうやって書くとやばいサイコパスみたいだ…)。どうも原作のアプリはかなりハッピーエンドだったらしく、その落差に精神をやられた人が多かったみたいですね。

【本】
『さよならの言い方なんて知らない(~5)』
かなり積んでたが、最近6巻が発売されて、そろそろ読み時だと判断して、既読の1巻から改めて再読。前は普通くらいの評価だったけど、読み返してみたら最高にエキサイティングで、布団の上で寝ころびながらずっと読んでいた。我ながら最高のタイミングで読んだと思う。読書とタイミングはある種の不規則な化学反応があって、本によっては読んだ時期や状況も含めて鮮明に思い出せるものがあるが(たとえば大学2年の梅雨に図書館で借りてその場で読んだ『アーモンド入りチョコレートのワルツ』、同じく大学2年の夏に出かける直前まで部屋で読み続けた『君の話』など)、この本も同じくそういった類の思い出として残り続けるだろう。アニメ化してほしい小説ランキング1位で、キャラクターのビジュアルが想像しにくいのがその理由。これはいいラノベだと思いました。手元にある6巻はもう少し待ってから読みます。

【漫画】
『ぼくらの』
先月紹介した鬼頭氏の代表作。久しぶりにTSUTAYAに行ってレンタルした。どうでもいいけど、セルフレジの近くにレシート用のごみ箱を置いていないTSUTAYA、全部つぶれてくれないか(過激派)?実は初めて読んだのは高校2年のときに、高校の図書室にて。(前にも少し書いた気がするけど僕の通っていた高校の図書室は少し変わっていて、『惡の華』とか『ぼくだけがいない街』みたいな若干グレー目な漫画も置いてあったりした)7年ぶりに読んでもその衝撃は変わらない。よく鬱漫画として紹介されているけど実はそれは序盤だけで、中盤以降は特段鬱展開はないと思う。いずれにしても少年少女は死ぬのだけど、中盤以降はその死にざまが最高にきれいに描かれていて、ただグロいとかただたくさん死ぬとか、そういった王道(?)の鬱漫画とは全然違う。どうしようもない運命に巻き込まれた少年少女たちももちろんだが、それを取り巻く大人たちの誠実さも大きな魅力で、こういった強くて優しい大人になりたいと思う。

『adabana』
久しぶりにインパクトのでかい漫画を読んだ。これもたしか鬱漫画をピックアップしたWebサイトで紹介されていて、気になっていたからTSUTAYAでレンタル。正直こういった内容の話はありきたり(特にサスペンスドラマなんかだと、ここまで酷くはないにしても、似たような展開の話はよく見かける気がする)だけど、なぜここまで印象に残ったかと言えば、とにかく画が好みに合った。特にラストシーン、読んでいて胸がいっぱいになった。とにかくやるせなくて、それ以上にいい意味で切ない。環境が不幸な人たちにフィーチャーした小説はいくつか読んだことあるけど、漫画で読むのは初めてで、えぐいシーンを想像で補わずに直接的に見て感じることができる点はいいのだけど、その分ダメージは大きくなるから一長一短。個人的には漫画>小説>ドラマだと思っているけど、この作品に関して言えば、不等号の数が全然変わってくる。それくらい漫画映えすると思う。

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