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telecasterの夢の外-monologue-

-いやさ、ずっと、あぁこれ、間違ったな、って思ってたのよ。だってそうじゃん。直人も理沙も、多分俺より才能とかあるし。

-妬んでた?いや全然、そんな事なくて、直人は文章書けるし。歌も上手い。理沙だって美人だし、2人ともすごくいろんな人に知られてる。だろ?そんな事良いんだけど。俺はそうでもないし、そんな堂々ともしていられないし、そういうの俺の性分みたいなものなんだよね。

-間違った部分について?音楽、そう音楽。

-続けることがしんどかった?いやまさか、俺が言っているのはきっかけの話。俺と理沙と直人は、音楽で繋がった。それを維持してちぐはぐになったから、きっかけ自体が間違っていたんじゃないのかなぁ。もう少し、それから離れられたら、ちゃんとしていたんだと思うよ。割と今でも。

-嘘はついてない。確かに話さなかったのは悪い所なんだけど、形にならない話をしてもしょうがないじゃん。俺と直人は、友達。だから遊びに行くのも普通、お互いの生活環境が変われば会わなくなるのも普通、で、忘れた頃にポンと連絡して、久しぶりなんて言いながら一緒に飲みに行くのも、普通。必要な時に、話を聞いてもらいたい時に、自慢したい時に頻繁に連絡を取り合うのも普通だし、忙しくて疲れ切ってる時に連絡出来なくなるのも普通。

-理沙には済まないと思っている。本当に、別れる時から今までそう思ってるんだ。本心中の本心。
なんであんな風になったのか、お互いに誤解しちゃったんだと思う。つまんないよなこんな話。俺は理沙の人生を変えちゃった。俺はそのままの理沙と俺で、人生を作りたかった。作り変える必要は無かった。
分かる?このニュアンス?

-すごい子供じみてるなぁって、思ってる。今ね、結構忙しくて、覚える事いっぱいで、整理できてない事が沢山ある。家も汚ねぇし。
俺たちは、ちゃんと友達やるのに失敗しちゃったんだよね。お互いがお互いに繋がりすぎた。でもそっから友達になれた。荷物まとめる時にテレキャスター見て、俺は思ったね。俺たちはまた会える。みんな全然関係ない道を歩きながら。

-いろんなアーティストが伝えたい事って、つまりこれなんじゃないかと思うよ。俺はたまたまそれがテレキャスターだっただけなんだけど。ちょっとカッコつけてるか。あとで消して。

-ともかくね、はい!まとめ。
俺も直人も理沙も、みんな夢を見ていたんだ。お互いに全然違う夢を、そういうのちゃんと話し合っていられれば、俺らそれでも大丈夫だったんだけど、そうはならなかった。だからみんな、もっと話して欲しい。共にいる時間が長ければ長い奴程、話して欲しい。それだけみんな誤解してるから。一個一個、ちゃんとほどいていかなきゃいけない。大変だよな。でもやんなきゃいけない。頑張れよ。俺も頑張る。
俺らはきっと、繋がれる。

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