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(小説集) 剣鬼悪辣

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よく分からん奇行短編小説と、連載長編小説です。 暴挙とも思われる事を書いてしまうが、それすら誰かの救いになるのなら、我悪辣の名の下に、太刀を振るう事鬼の如し、そういう事です。
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#DearK

あんたの本能、買わせてくれる?

あんたの本能、買わせてくれる?

午前2時の待ち合わせで、こんなにテンションが上がらないのはなんでだろう。
感情が高ぶって何度も画面を見返す数、視野に入ってくる人をわざわざじっくり見つめる回数。全てにおいて足りない。そりゃそうだ。今日、この時間に待ち合わせしている相手は、同期の女子でもなく、バイト先の同僚の女子でもなく、生徒。トオルくんとだからだ。
ちょうど煙草に火を付けた所で先生、と声をかけられた。
間抜け面で煙草を加えた俺は、

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