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(小説集) 剣鬼悪辣

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よく分からん奇行短編小説と、連載長編小説です。 暴挙とも思われる事を書いてしまうが、それすら誰かの救いになるのなら、我悪辣の名の下に、太刀を振るう事鬼の如し、そういう事です。
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telecasterの外の夢(5)

telecasterの外の夢(5)

今更意味が分かるなんて、そんなことは本当に辞めて欲しかった。いつだって僕は遅れている。止めることも遅れているし、怒ることも時期を外している。学校を休んだ日の翌日、授業内容は知っているくせに、理解ができなくなるように、僕はいつだってタイミングを逃すし、遅すぎるのだ。

拓は何日も部屋に帰ってこなかった。僕も理沙も大量のLineを飛ばしたが、拓はずっと既読スルーだった。

直人さん、拓がいないの。店も

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