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仕事と人生で大切なことは「週刊文春」編集長に学んだ

『「週刊文春」編集長の仕事術』という本をつくった。そのとき、新谷編集長に学んだ「仕事や人生で大切にしたい考え方」をいくつかご紹介したい。

「ベストの選択肢」から逃げない

 たとえば「大谷翔平に関する記事を書こう」と思ったとする。あなたならどうするだろうか。

 野球ジャーナリストに話を聞く? 大谷をよく知る人物にアタックする? スポーツ紙の記者にアプローチする?

 しかし、ここでの「ベストの選択肢」を考えてみてほしい。

 それは「大谷翔平本人に話を聞く」ことだ。

 多くの人は、はなから「本人は出てくれないよ」「みんな狙ってるから無理だよ」とあきらめてしまう。本人から話を聞くだなんて、思いつかない人もいるだろう。

 しかし、新谷さんはつねに「ベストの選択肢」を追いかける。考えられる最高の選択肢を選ぶ。大谷翔平に話を聞くため、ありとあらゆる手段とルートを使うだろう。

 人はついつい「現実的な」選択肢を選びがちだ。つねに「ベストを選ぶ」という姿勢を忘れないようにしたい。

社交辞令で終わらせない

「今度、ごはんいきましょう!」
「またご連絡しますね!」

 別れぎわについ口走ってしまう言葉だ。日本では「社交辞令」としてすまされる。そして、いつしかお互いが約束したことも忘れていく。

 しかし、新谷さんは社交辞令を社交辞令で終わらせない。

 合言葉は「袖振り合うもぜんぶネタ元」。すぐ「いつにしますか?」と聞き、具体的な日程を詰めていくという。

 社交辞令で終わらせずに、きちっと実現させる。それだけで人生は変わっていくはずだ。

あらゆるモノゴトをおもしろがる

 悲惨な事件や事故、災害は別だが、人生におけるスタンスとして「おもしろがる姿勢」は大切だろう。

 ちょっとしたトラブルや問題も、必要以上に眉間にシワを寄せて「深刻」になってしまいがちなのが日本人。そうではなくて、楽しんでしまう。おもしろがる。そういう姿勢は得をする生き方だ。

 おもしろがる、とは嘲笑するということではない。興味を持つこと。好奇心を持つこと。そして首を突っ込んでみること。

 ただぼんやりと「つまんないな」と思って日常を過ごしていては損だ。どんどん首を突っ込んで、いろんな世界を見てみること。それが人生をおもしろくしていくはずだ。

つねにフルスイング

 新谷さんの仕事へのスタンスは「フルスイング主義」だ。

 どんどん打席に立って、ブンブン振り回せ。バントやポテンヒットではなく、ホームランをどんどん狙っていけ。ついつい「守り」に入りがちだが、そうではなく三振覚悟でフルスイングするのだ。

 ぼくもやはり編集者をやっている以上、「ミリオンセラーを出してみたい」という夢がある。しかし「無理なんじゃないか」「さすがに非現実的かな」などとあきらめがちになってしまう。

 しかし、ホームランを狙っていない人がホームランを打てるはずがない。ちょっと弱気になりかけたとき、いつも「フルスイング主義」を思い出している。

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