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伝わらない文章には「○○○」がいない

「がんばって書いているのにあんまり読まれない」
「うまく書いているつもりなのになぜか伝わらない」

そんな悩みをよく耳にします。

伝わる文章と伝わらない文章の違いはどこにあるのでしょうか?

それは文章のなかに「あなた」がいるかどうかです。

「ん?」と思われた方も多いかと思いますが、ちょっと例を出します。

業界初! 800万画素を実現!

パンフレットなどでよく見るような文です。

ここにあるのは「私」でしょうか? 「あなた」でしょうか?

「業界初だよ! すごいでしょ?? 800万画素もあるんだよ!!!」というのは「私が言いたいこと」です。あくまで書く側の都合で書かれた言葉です。

ここには「私」しかいません。

もちろん画質に詳しい人なら「おお!」と思う人もいるかもしれません。ただ、そこまで詳しくない人は「そんなこと言われてもなあ……」と思ってしまいます。(それ以前にスルーでしょう。)

では「あなた」がいる文とはどういうものでしょうか?

お孫さんの写真をきれいな画質で残しませんか?
一度きりの成人式を最高の一眼レフで撮りたいと思いませんか?

これらの文には「あなた」がいます。

少なくとも書いている側は「自分が言いたいこと」ではなく、相手の顔を思い浮かべながらメッセージを発信しています。だから、伝わります。

伝わらない言葉には「私」しかいない。伝わる言葉には「あなた」がいる。

これがぼくなりの「伝わる文章と伝わらない文章の違い」への答えです。

主語を「あなた」に変えてみる

「いまいち伝わってないな……」と思ったら、主語を「あなた」にできないか考えてみるといいかもしれません。

当社は動画生成サービスを開発しました

という言い方もいいのですが、これはあくまで「当社」からの一方通行の情報です。これで伝わらない場合は、

あなたも1分で動画がつくれます

というように「あなた」を主語にして書き変えてみます。

広尾におしゃれなレストランができました

でもいいのですが、おしゃれなレストランはたくさんあります。そこで、

あなたは、大切なお客さんをお連れするのにピッタリのお店を知っていますか?

というような言い方をすると「あなた」が入るので刺さりやすくなります。

「自分が何を発信したいか」を考えるのも大切ですが、一方で「読み手が何を聞きたがっているか」を考えてみることです。

「あなた(読み手)」の悩みはなんだろう?
「あなた(読み手)」の困っていることはなんだろう?
「あなた(読み手)」が喜ぶことはなんだろう?
「あなた(読み手)」の役に立つことはなんだろう?

私→→→」という一方的な「発信」ではなく「私→→→あなた」という「コミュニケーション」を心がける。

ちょっとした気配り。ちょっとした思いやり。

SNS時代のライティングは、この意識を大切にするといいかもしれません。


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