ビジネスがうまくいく「客観」という魔法
独立してから3年が経ちました。
まだまだ規模は小さいですが、自分なりに「ビジネス」というものをしてきて気づいたことがあります。
それは「客観て、すごくない?」っていうことです。
ぼくが独立してから「こうしよう」と決めていたことがあります。
ひとつは、詳しくない分野は専門家に聞くということ。もうひとつはまわりの人に意見をもらって「たしかに」と思ったら取り入れることです。
専門家に聞く、というのは、まあ、ふつうのことですね。
税金の計算は税理士さんにお願いする。契約書とか権利のことは弁護士さんにお願いする。自分の専門分野じゃないところは、専門家にお願いする。
そうすることでうまくいきます。
「まわりの人に意見をもらう」というのも意識してやっています。値付けに関してだったり、仕事の進め方、採用の仕方なんかも、いろんな人に話を聞きます。
そして「たしかにそうだな!」と思ったら取り入れます。
自分よりも経験のある人、うまくいっている人、利害関係のない人。そういう人に話を聞くと、いつも発見があります。そして、たいてい自分ではない誰かにアドバイスをもらって、そのとおりやるとうまくいくことが多いのです。
人間は「主観」で生きがち。だから「客観」で差がつく
人間は基本的に「主観的」な生き物です。
たまに人生を客観的に見られる人もいますが、ほとんどの人は「主観」がデフォルトのはずです。
主観的に生きているから、いろんな感情も生まれます。うまくいかないときは落ち込むし、誰かと別れるときは悲しい。勝負に負けると悔しいし、勝つとうれしいわけです。
これは「主観」のなせるワザなのかなと思います。
ただ「主観」はまわりが見えていない状態なので、相対的に冷静に何かを判断するのには向いていません。
そこで客観的に見てくれる人に話を聞くことが有効なのだと思います。
実感としてもそうではないでしょうか?
たとえば目の前で友人が悩んでいる。話を聞いてみるとすごく些細なことだったりする。そこで「そんなの大したことないじゃん」とか「それなら病院行けばいいんじゃないの?」と言えるわけです。
友人は主観に陥っているので「大問題」なのですが、客観的に見ているあなたは冷静なアドバイスが可能なのです。
他人のことであればアドバイスできる。しかも、それはけっこう的確なはずです。でも、それが「自分の悩み」となると、やはり感情が入ってしまうので冷静な判断ができなかったりします。
ビジネスの世界でも同じです。
新聞で「ある会社が危機に陥っている」という記事を見たとします。そこで多くの人が「いや、それは商品が悪いからでしょ」「時代に合ってないよね」「もっとリストラしなきゃまずいでしょ」みたいなことを思います。
そして、けっこう当たっているはずです。
でも、当事者である会社からは、ぜんぜん違う世界が見えている。内部には内部の事情もあるはずです。
でも、だからこそ、そこできちんと「客観」を取り入れられれば、他者と差がつけられて、うまくいくのではないかなと思うのです。
編集者の「客観」という価値
「編集者」という職業の価値はいろいろあると思いますが、いちばん大きな価値はこの「客観」だと思います。
客観とは「客」が「観」ると書きますが、まさにお客さんが観るように作家や著者にアドバイスができるのが編集者です。
「ここはすごく新しいけど、お客さんには届きにくいと思います」とか「この部分はもう少し具体的に書いたほうがウケるはずです」などと、客観的にアドバイスできる。そこに価値があるわけです。
自己プロデュースができる作家や著者は一握りです。ほとんどの作家は、編集者などの客観的な目がないとなかなかうまくいきません。
人間は「主観的」に動いています。だからこそ「客観」が価値になる。その客観をきちんと受け入れられると、まわりと差がつけることができると思うのです。
リスクを取るのは自分なので、なかなか他人のアドバイスに従うことは難しかったりもするのですが、なるべく「人に聞いてそれを素直に実行する」というのは、今後も心がけていきたいなーと思っています。
……あ、似たようなことを半年前にも書いていた!!
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